米Googleは7月24日、従来モデルよりも薄型となる新世代の「Nexus 7」タブレットを発表した。インターネット検索大手のGoogleはこの新型Nexus 7によって、消費者向けハードウェア市場でのプレゼンスを拡大し、今後もモバイル向けの中心的なサービスとして自社のオンラインサービスの優位性を維持したい考えだ。
新型Nexus 7は米Qualcommの「Snapdragon」プロセッサを搭載し、画面解像度も向上している。ストレージが16Gバイトの基本モデルは7月30日に229ドルで発売される。1年前にリリースされた初代Nexus 7は8Gバイトモデルが199ドルで発売された。
GoogleでAndroidとChromeを統括するスンダル・ピチャイ氏は新型Nexus 7の発表イベントにおいて、「Googleはこの新製品で利益を出したい考えだ」と語った。Googleは初代Nexus 7でモバイルハードウェア市場に初めて参入したが、アナリストからは、この初代タブレットは収支的にはとんとんの製品とみられている。
「新型Nexus 7は関係者全員に利益が出るようになっている。小売業者もGoogleも含め、すべての関係者にとってだ」とピチャイ氏はReutersの取材に応じ、語っている。
さらにGoogleは24日、新製品「Chromecast」を発表し、オンライン動画ストリーミング分野での取り組みを再開させた。Chromecastは長さが約2インチのスティック型デバイスで、テレビの背面に差し込めば、YouTubeやNetflixの動画をスマートフォン経由でストリーミング再生できるというもの。価格は35ドルだ。
1週間後には、Google傘下のMotorola Mobilityも新型スマートフォン「Moto X」をニューヨークで発表するとみられている。Moto XはMotorolaが2012年5月に125億ドルでGoogleに買収されて以来初めて開発したスマートフォンであり、由緒あるMotorolaブランドを競争の激しいモバイル市場に再投入する上で要となる製品だ。
Googleのほかにも、Amazon.comやMicrosoftなど、従来はハードウェアの製造を行ってこなかった企業が近年はモバイル端末市場への参入を開始している。ユーザーがどこからでもWebにアクセスするようになってきたことへの対応だ。Googleはスマートフォンでの成功を、Amazonの「Kindle Fire」やAppleの「iPad」に独占されている好調市場において再現すべく、2012年6月に初のタブレット製品を発表した。
GoogleはNexusタブレットを積極的な価格で販売し、ヒットさせたい考えだ。Nexusタブレットのユーザーが増えれば、それだけ広告がユーザーの目に触れる機会も増えることになるからだ。Googleは売上高の大半をオンライン広告やモバイル広告から上げている。
Nexusシリーズには、韓国Samsung Electronicsや台湾HTCなどのパートナー企業が製造するスマートフォンやタブレットが含まれており、NexusシリーズはGoogleのAndroid OSを採用する世界中のメーカーにとってリファレンス端末としての役割も果たしている。
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