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“Dシェイプ”で部屋の隅までキレイに――シリコンバレーからやってきたロボット掃除機「ネイト ボットバック」

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 米Neato Robotics(ネイト ロボティクス)は9月26日、日本法人の設立と国内向けの全自動ロボット掃除機「ネイト Botvac」(ボットバック)シリーズ2機種を発表した。10月4日からビックカメラの首都圏各店舗およびコジマの各店舗で先行販売を開始する。価格は、シリコンブレードブラシの「Botvac 75」が5万9800円、ペットの毛なども取れる“2重らせんコンボブラシ”を加えた「Botvac 85」が6万9800円。

ts_eato04.jpgts_eato03.jpg「Botvac 85」と米Neato RoboticsのCEO、ジャコモ・マリーニ氏

 Neato Roboticsは、女性も安心して使えるロボット掃除機の開発を目指し、スタンフォード大学の起業家支援プログラムを使って2005年に設立した専業メーカー。2010年に最初の製品を投入し、欧米を中心に累計40万台を販売している。来日した米Neato RoboticsのCEO、ジャコモ・マリーニ氏は、「家電のアーキテクチャーは劇的に代わる。従来の家電にエレクトロニクスとソフトウェアを導入していくことになるだろう。われわれの大きなビジョンは、そのマーケットのリーダーになることだ」とした。

 以前は米国のPC周辺機器メーカーLogitech(ロジテック、日本ではロジクール)に所属し、日本市場参入を体験したというマリーニ氏。その経験と人脈を活かし、日本支社のトップには元同僚のポラード由貴子氏を指名した。また正規代理店にはコンシューマー市場で長い経験を持つエム・エス・シー。サポートは船井サービスが担当する。まずは大手家電量販店ビックカメラ1社で先行販売を行い、その後はネット販売やテレビ通販等など販路の拡大を検討していく方針だ。

D型シェイプとシステムナビゲーション

 日本市場に投入されるボットバックは、同社としては第2世代のロボット掃除機だ。見てすぐに分かるのは、ルンバのような円形ではないこと。先端が平らな“D”の形状をしている。この“Dシェイプ”により、部屋の隅まで吸引力が届くという「直線部分にワイドな吸い込み口を配置してい。壁際から約1センチまで吸い込み口が近づく」(同社製品担当の堀田正幸氏)。

ts_eato01.jpgts_eato02.jpg壁際や部屋の隅も掃除できる

ts_eato05.jpg底面。ブラシと吸引口が端から約10ミリのところまであり、サイドブラシも装備

 そしてマリーニ氏が「もっとも重要なイノベーション」と紹介したのが、マッピング技術。スタンフォード大学のロボット工学研究から生まれたSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)を採用し、独自アルゴリズムで安価に実現したという。

 ボットバックのマッピングは、上部にある円形の部分「タレット」に設けられたレーザーセンサーで行う。全方向360度を1秒間に5回転し、1度ごとに距離を測定。合計1800回/秒のスキャニングで部屋の形や家具のレイアウトを把握する。

 そして必ず右側の壁際から直線的な軌跡で掃除をはじめ、部屋を塗りつぶすように掃除していく。基本的に同じ場所を2度は掃除はしない。「競合製品にはランダムな軌跡で掃除するものも存在するが、比較すると約1/4の時間で掃除を完了する。効率の良いシステムだ」。

ts_eato06.jpgts_eato07.jpgカバーを外したところ(左)。競合製品との動き方の比較。基本的に同じ場所は2度掃除しない(右)

 また、部屋のドアを開けておけば自動的に廊下に出て、次の部屋を掃除していくマルチルームクリーニングを標準で備えている。オートスケジュール機能で毎日の掃除を設定しておけば、あとはドアを開けておくだけ。1つの部屋を掃除したら次の部屋に移動し、全自動ですべての部屋を掃除するという。段差も2センチ程度なら乗り越えるほか、廊下も1つの部屋と捉えて同様に掃除する仕組みだ。「2LDK程度の間取りであれば、15〜20分で完了するイメージ」(ボラード氏)。

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