Appleが「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を発表し、各キャリアのアピール合戦が激化し始めた。9月12日には3社とAppleが予約の受付を開始。KDDIとソフトバンクモバイルの両社は、端末価格や端末に購入に伴う毎月の割引も明らかにした。2013年、ドコモがiPhoneの取り扱いを開始して以降、端末が同一になる中、勝負の軸は料金やネットワークに移ろうとしている。iPhone 6、iPhone 6 Plusでもその傾向に変わりはない。そこで、今回は2つの新iPhoneを巡る3社の違いをまとめた。
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端末代はほぼ互角、ドコモの発表が待たれる
KDDIとソフトバンクモバイルは、それぞれ端末価格や毎月割、月月サポートの額を発表した。金額はほぼ同じだが、本体価格はソフトバンクがやや安く、毎月の割引を含めた“実質価格”はわずかながらだがKDDIに軍配が上がる格好だ。全体の傾向としては、機種変更より、新規・MNPが優遇される傾向にある点もつけ加えておきたい。
注意したいのは、実質価格は変動する可能性がある点。改めて説明するまでもないかもしれないが、途中で機種変更をしたり、解約をした場合、割引はその段階で打ち切られる。つまり、24カ月丸々使えば、実質的にこの価格になるということだ。本体価格が安いソフトバンクの方が、途中で機種変更もしくは解約した場合、わずかに安くなるともいえるだろう。逆に24カ月使い切ったときは、KDDIの方がお得になる。これらをまとめた表は、以下のとおりだ(価格はいずれも税込)。
KDDI(新規・MNP) | ソフトバンク(新規・MNP) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本体価格(月額) | 毎月割 | 実質価格 | 本体価格(月額) | 月月割 | 実質価格 | ||
iPhone 6 | 16GB | 7万2360円(3015円) | 3015円×24 | 0円 | 7万80円(2920円) | 2920円×24 | 0円 |
64GB | 8万5320円(3555円) | 3015円×24 | 1万2960円 | 8万3280円(3470円) | 2920円×24 | 1万3200円 | |
128GB | 9万6120円(4005円) | 3015円×24 | 2万3760円 | 9万4080円(3920円) | 2920円×24 | 2万4000円 | |
iPhone 6 Plus | 16GB | 8万5320円(3555円) | 3015円×24 | 1万2960円 | 8万3280円(3470円) | 2920円×24 | 1万3200円 |
64GB | 9万6120円(4005円) | 3015円×24 | 2万3760円 | 9万4080円(3920円) | 2920円×24 | 2万4000円 | |
128GB | 9万9360円(4140円) | 2700円×24 | 3万4560円 | 9万9360円(4140円) | 2690円×24 | 3万4800円 | |
KDDI(機種変更) | ソフトバンク(機種変更) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本体価格(月額) | 毎月割 | 実質価格 | 本体価格(月額) | 月月割 | 実質価格 | ||
iPhone 6 | 16GB | 7万2360円(3015円) | 2410円×24 | 1万4520円 | 7万80円(2920円) | 2310円×24 | 1万4640円 |
64GB | 8万5320円(3555円) | 2410円×24 | 2万7480円 | 8万3280円(3470円) | 2310円×24 | 2万7840円 | |
128GB | 9万6120円(4005円) | 2410円×24 | 3万8280円 | 9万4080円(3920円) | 2310円×24 | 3万8640円 | |
iPhone 6 Plus | 16GB | 8万5320円(3555円) | 2410円×24 | 2万7480円 | 8万3280円(3470円) | 2310円×24 | 2万7840円 |
64GB | 9万6120円(4005円) | 2410円×24 | 3万8280円 | 9万4080円(3920円) | 2310円×24 | 3万8640円 | |
128GB | 9万9360円(4140円) | 2095円×24 | 4万9080円 | 9万9360円(4140円) | 2080円×24 | 4万9440円 | |
ただし、どちらもiPhone 6 Plusの128Gバイト版だけは、割引額が抑えめだ。10万円を超えると、割賦販売時の審査を厳しくしなければならないため、あえて端末代を少々安く9万円台ギリギリに設定して、そのぶん毎月の割引を減らしたと考えられそうだ。
KDDIとソフトバンクが予約開始の12日16時までに料金プランを公開できたのに対し、ドコモはAppleとの調整が間に合わなかった模様だ。ドコモ広報部によると、「13日以降すみやかに公開する」とのことで、追加の発表を待ちたい。
料金に関しては、KDDIとソフトバンクのどちらも、新旧2つのプランから選択することが可能だ。KDDIは、「なるべくお客様のニーズをよく見て対応していきたい」(代表取締役執行役員専務 石川雄三氏)として、“選べる自由”を残した格好だ。ソフトバンクも同様に、旧プランを選択でき、「『パケットし放題フラット』であれば、どちらのプランでも月月割は同額になる」(広報部)という。
対するドコモは、8月31日で旧料金プランの新規受付を終了しているため、現状新たに契約しようとすると、音声定額とパケットパックを組み合わせる新料金プランしか選択できない。機種変更の場合は旧料金プランをそのまま継続できるが、原則として9月1日以降は月々サポートがつかないようになっている。そのため、新料金プランに加入しなければ、端末の購入に伴う割引を受けられず、実質価格は割高になる。音声通話をあまり利用しない人にとっては、痛手といえるだろう。ただし、端末価格の発表にあたって、何らかの措置があるかもしれない。この点には、引き続き注目しておきたい。
下取りやキャッシュバックキャンペーンも実施
iPhone発売に合わせ、下取りや各種キャンペーンも行われる。KDDIは、9月19日から下取りプログラムにiPhone 5sとiPhone 5cを新たに加えるほか、iPhone 5やiPhone 4sの下取り価格を大きく上げる。特にiPhone 4sについては大幅な増額になり、64Gバイトが7000円から1万7000円に、32Gバイトが6500円から1万6500円に、16Gバイトが6000円から1万6000円にと、それぞれ1万円買い取り価格がアップする。iPhone 5sなどの最新機種は状態次第で一般の中古販売店に及ばないところがあるものの、iPhone 4sのような古い機種なら利用する価値は高い。KDDIの下取りはポイントとして支払われるため、au WALLETでリアルな店舗で使えるのも特徴といえるだろう。
9月18日まで | 9月18日〜11月30日 | ||
---|---|---|---|
iPhone 5s | 64GB | 2万6000円相当 | |
32GB | 2万5000円相当 | ||
16GB | 2万4000円相当 | ||
iPhone 5c | 32GB | 1万8000円相当 | |
16GB | 1万7000円相当 | ||
iPhone 5 | 64GB | 1万5000円相当 | 2万円相当 |
32GB | 1万4000円相当 | 1万9000円相当 | |
16GB | 1万3000円相当 | 1万8000円相当 | |
iPhone 4s | 64GB | 7000円相当 | 1万7000円相当 |
32GB | 6500円相当 | 1万6500円相当 | |
16GB | 6000円相当 | 1万6000円相当 | |
これに対してソフトバンクモバイルは、「タダで機種変更キャンペーン」を実施。こちらは、iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 4s、iPhone 4、iPhone 3GS、iPhone 3Gのほか、Androidも6機種が対象となる。端末の回収を条件にしている点で、下取りと考えて差し支えはないだろう。iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 5の場合は、2万5440円分の割引を受けられる。割引の代わりに、Tポイントでも受け取ることが可能だ。iPhone 4sの場合は、1万4640円となる。
iPhone 6 | iPhone 6 Plus | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
16GB | 64GB | 128GB | 16GB | 64GB | 128GB | |
月の実質価格 | 0円(+1万8000円の割引) | 100円 | 550円 | 100円 | 550円 | 1000円 |
割引総額 | 2万5440円 | 2万5440円 | 2万5440円 | 2万5440円 | 2万5440円 | 2万5440円 |
このほか、MNPで移ったユーザーに対して1万円分のポイント還元をするのは2社で共通している。
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