LINEのスタンプを自作して販売できる「LINE Creators Market」から、新たな才能が生まれている。クリエイターの年齢や経験は一切不問。主婦や学生も多数参加しており、草の根作家の可能性が広がっている。
都内に住む小学生1年生・はなかさん(7歳)も、スタンプクリエイターの1人だ。はなかさんが紙に描き、お父さんがPCで色を塗った「いか」スタンプは、有名人のTwitterで取り上げられるなどして想定外の人気となり、分配された売り上げは1万円を突破した。
「いかの待ち合わせ」「船が来てびっくりしているいか」「UFOキャッチャーで商品が取れるか、お祈りしているいか」……はなかさんの「いか」スタンプは、大人が作ったパターン化されたデザインとはひと味違い、子どもらしい自由さを感じさせる。1セット・40種類ものデザインを考えるのは大人にも難しいが、はなかさんには「簡単だった」という。
将来「絵描きさん」になりたいというはなかさん。創作意欲は旺盛で、次のスタンプ「たこ」も準備中だ。
「親バカなんです」 身内向けに作ったスタンプ
はなかさんは自宅や学校でよく絵を描き、その絵は同級生にも周囲の大人にも人気という。お父さんは娘の絵を「シュールで面白い」と感じており、「メッセンジャーなどで身内に送って自慢したい」と考えていた。
今年2月、「LINE Creators Market」が始まり、自作スタンプを販売できるようになるというニュースが流れた。それを見たお父さんは、娘の絵をスタンプ化しようと思い立った。「娘の描いたシュールな絵を自慢したくて。僕の自己満足、ただの親バカなんですが……」
「いか」オンリーのスタンプになったのは想定外だった。当初は動物園のようなイメージで、いろいろな生き物を描いてほしいと考え、「きりん」「ぞう」「さい」「にわとり」「いか」「たこ」などの動物をリスト化。外出先から自宅の妻の携帯電話にリストを送信し、はなかさんに見せるようお願いした。
リストを見たはなかさんは、その中から「いか」だけを選び、大量に描き始めたという。「要求仕様とデザイナーの意志との齟齬ですね」とお父さんは苦笑。「いかとたこで迷って、いかにした。ママに相談した」とはなかさんは話す。
いかのイラストは、スケッチブックやメモ帳に、ボールペンや鉛筆などで描いていった。シチュエーションやデザインはすべてはなかさんが1人で考え、「時間が空いてるときに描いた」(はなかさん)そうだ。
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