Intelの新しいCEO(最高経営責任者)であるBrian Krzanich氏は、同社に30年以上勤めてきた人物である。Krzanich氏は、前CEOであるPaul Otellini氏の退任に伴いIntelの指揮を公式に任されたばかりだが、早くも同社の再編に向けて動き出したようだ。Krzanich氏は2013年5月20日に、大規模な構造改革の概要を書いた社内向けの文書を発信したという。
この文書は外部には発表されていないが、5月21日にロイター通信をはじめとする複数の報道機関が、こうした文書が発信されたと報じた。Intelの報道担当者であるChuck Mulloy氏は、EE Timesに対し、この文書の存在を認めたほか、構造改革の要旨について語った。
Mulloy氏によると、Krzanich氏が再編成に向けて迅速に行動したことに対し、Intel外部の人間から驚きの声が寄せられたという。Mulloy氏は、「Krzanich氏はいつも行動が速い。自分が何をするのか語ることよりも、行動することを好む」と述べている。
Krzanich氏は、5月16日に開催されたIntelの株主総会で構造改革について明らかにし、総会後のインタビューで、自らを「口先だけではなく、行動する人間」だと称している。
構造改革により、さらに多くの事業グループがCEOの直轄となる。指示や報告など、コミュニケーションのプロセスを短くすることで、より素早く行動できるようにするのが狙いだ。
新CEOは、
- PC用プロセッサの販売トップの座を維持する
- モバイルコンピューティング分野に積極的に参入する
- データセンター市場での成長を加速する
- チップ製造技術におけるリーダーシップを維持する
という、4つの目標を立てている。今回の構造改革は、これらの目標の達成を後押しすることになるだろう。
Mulloy氏は、「断固たる行動を迅速に起こすこと。他社に先駆けて市場を把握し、その市場にいち早く参入すること。それがKrzanich氏の狙いだ」と述べている。
文書は、これまで随所で誤解されてきた問題も解決しているようだ。Intelの新しいプレジデントに任命されたRenee James氏は、Krzanich氏の直属となる。Mulloy氏によれば、「James氏はKrzanich氏に従属する。トップの権力が二分されることはない」という。
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