Googleはスマートウオッチのコンセプトにモバイル機器戦略の大部分を賭け、スマートフォンから、より使いやすい製品への移行を進めている。
Androidの主任設計者であるMatias Duarte氏によると、ユーザーは仕事で使うPC、個人で所有するスマートフォンやノートPCなどを、有線/無線ネットワークでつながるパーソナルコンピューティング環境への“ゲートウェイ(出入口)”と捉えているという。問題は、動きながらモバイル機器を使うのがどれくらい難しいかという点にある。
歩きながら携帯電話機でメールや通話をすると、そのユーザーの意識の大半は、メールや通話に向く。2013年に米オハイオ州立大学が行った調査によると、こうした非注意性盲目(他の事に気を取られて、周囲の状況に気が付かないこと。“歩きスマホ”などがその一例)が原因で救急病棟を訪れた人の数は2005年から2010年の間に倍増している。これは、2010年以降、自動車を運転中に携帯電話機を使用したことでケガをした人の数を上回るものだ。歩きスマホによるケガの発生件数も増えている。
移動中でも確認しやすく
Googleが2014年3月に発表したウェアラブル機器向けプラットフォーム「Android Wear」は、ユーザーが移動中でもAndroidを使いやすいように設計された。例えば、メッセージを要約し、ひと目で確認できるようにしている。情報サービス「Google Now」でスケジュールやセールの情報を知らせてくれる。また、音声ガイダンス機能を使って道順を調べられる他、メールを送信したり電話をかけたりする場合はAndroid Wearにそう指示すれば済む。雑踏の中を歩きながら親指でタイプする必要はない。
Android Wearは、シンプルなインタフェースとして設計されている。ただし、一部では「Android Wearでユーザーは何ができるのか」という疑問の声も上がっているようだ。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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