TDP 125ワットと95ワットにFXシリーズ新モデル
FX-8370は、FX-8000番台の最上位モデルになる。FX-8000番台のモデルは、TDPが125ワットの8コアモデルだ。上位のFX-9000番台のTDPが220ワットという“破格”の設定なので、それと比べると扱いやすい。FX-8370の定格クロックは4GHz、Turbo Coreを有効にしたときの最大クロックは4.3GHzとなる。最大クロックの4.3GHzというのは、これまでの最上位モデルだったFX-8350の4.2GHzから100MHz引き上げた値になる。ただし、定格クロックは4GHzで変わっていない。メモリのサポートもDDR3-1866なので、こちらも同じだ。
FX-8370eとFX-8320eは、EシリーズFXとして新たに追加したラインアップだ。ポイントとなるのはTDPが95ワットである点。125ワットモデルよりも、低消費電力で扱いやすいクラスとなる。もっとも、既存のラインアップでもFX-8300という95ワットモデルがある。新たにEシリーズという名称を設け、95ワットモデルを判別しやすくし、上位のモデルを追加したことになる。
両モデルとも、コア数は8コアで、定格クロックはそれぞれ3.3GHz、3.2GHz、Turbo Core時の最大クロックは4.3GHz、4GHzとなる。定格クロックを低めに設定することでTDPを引き下げつつ、CPU温度に余裕があれば、Turbo Coreで積極的にクロックを引き上げるというのがEシリーズだ。結果、FX-8370とFX-8370eは、Turbo Core時のクロックが同等となっている。メモリのサポートはDDR3-1866で今回の3モデルで共通だ。
税別の価格設定に関しては、FX-8370とFX-8370eが2万1980円と同じで、FX-8320eが1万6180円とされる。FX-8370とFX-8370eは、定格クロックとTDPは異なるが、Turbo Core時のクロックと価格、そのほかのスペックは同じなので選択で悩むかもしれない。
FXシリーズをサポートするのは、引き続きAMD 990FXや990X、980G、970といったAMD 9シリーズチップセットだ。ソケットもAM3+で変更ない。そのため、BIOSのアップデートが必要となる場合はあるが、基本的には既存のマザーボードで対応できる。
Core i5-4460相手に善戦。FX-8370eは使い方次第でFX-8370並みのパフォーマンスを示すことも
今回はFX-8370、FX-8370e、および、比較用としてCore i5-4460を用意した。マザーボードはAMD FX側にASUSTeKの「SABERTOOTH 990FX R2.0」(AMD 990FX)、Core i5側をMSIの「Z97M GAMING」(Intel Z97 Express)とした。ほか、主な使用機材は以下の表を参考にしていただきたい。
CPUとマザーボード以外の評価用システムの構成 | |
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GPU | Radeon R9 285 |
グラフィックスカード | Sapphire R9 285 2G GDDR5 DUAL-X OC |
データストレージ | OCZ Vector 150(Serial ATA 3.0、120GB) |
OS | 64ビット版 Windows 8.1 Pro |
電源ユニット | Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000W) |
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