OKIエンジニアリングは2014年9月1日、製造業向けに、電子部品の製造中止情報と代替部品の調査を行う「電子部品のBCP(事業継続計画)支援サービス」の提供を9月1日から開始した。同社では、「部品供給のリスクを最小限に抑え、製品供給途絶リスクを低減する取り組みを支援する」とし、同サービスで年間1000万円程度の売り上げを目指す。
多くの半導体、電子部品の製造工場が被災した2011年の東日本大震災以降、製造業でのBCP策定の動きが活発化している。BCPでは、震災など不足の事態が発生し事業が中断した場合に、最短時間で事業を再開するため、事前に電子部品の製造中止情報や代替部品の調査を行っておく傾向が強くなっている。ただ、適切な代替品を選定できる部品情報技術者の不足が、事前調査を実施する上での「制約になっている」(OKIエンジニアリング)という。
部品情報技術者の不足に対応
OKIエンジニアリングは、製造業における部品情報技術者の不足を補うために、使用している電子部品の製造中止情報の調査と、回路設計の経験を持つ技術者による代替部品調査を代行する「電子部品のBCP支援サービス」を提供するに至った。
同サービスではオプションとして、海外市場向けに製品を製造・提供する顧客に向けて、EU規制であるREACH/RoHS対応調査や米国規制の紛争鉱物*)来歴情報調査など電子部品の技術/環境情報調査サービスも合わせて提供する。
*)スズ、タンタル、タングステン、金の4種の鉱物。これらは、紛争地域において産出される鉱物で、鉱物を購入することで現地の武装勢力の資金調達につながり、結果として当該地域の紛争に加担することが危惧されている。そのため、当該地域の鉱物の使用実績や原産国などの開示義務を課す規制が米国で定められている。
電子部品のBCP支援サービスの提供価格(標準価格)は、5000部品程度の製造中止情報調査で100万円、50部品での代替品調査で50万円としている。
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