最上位モデルでは8コア16スレッド対応に
インテルは、8月29日(現地時間)に開発コード名“Haswell-E”のCore i7シリーズと、そのCPUに対応する「Intel X99 Express」チップセットを発表した。それにあわせて、PCパーツベンダーやPCメーカーはIntel X99 Expressチップセットを搭載するマザーボードやHaswell-EシリーズとIntel X99 Expressチップセットを採用したモデルを発表している。
Haswell-Eでは、22ナノメートルプロセスルールとトライゲート3Dトランジスタ技術を導入した。ダイサイズは17.6×20.2ミリで構成トランジスタ数は26億個。CPUソケットはLGA 2011-v3に対応する。
最上位モデルで物理コアを最大8基搭載し(下位モデルは6コア)、Hyper-Threading Technologyをサポートするので、8コアモデルでは最大16スレッド処理が可能になる。また、3次キャッシュメモリとして20Mバイトを内蔵する。マルチスレッド処理性能は従来のクアッドコアモデルと比べて79%向上したとインテルは説明している。
統合するメモリコントローラでは、DDR4-2166をサポートし、クアッドチャネルメモリバスを利用できる。また、PCI Express 3.0で扱うレーンの数は40レーンとなり、4枚のグラフィックスカードによるマルチGPU構築も可能になった。
今回登場するHaswell-Eのラインアップは「Core i7-5960X」「Core i7-5930K」「Core i7-5820K」の3モデルだ。それぞれの主な仕様は以下の通り。
プロセッサー・ナンバー | ベースクロック | 最大クロック | コア数/スレッド数 | 3次キャッシュメモリ | PCI Expressレーン数 | メモリ | TDP | 1000ユニット購入時の単価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-5960X | 3GHz | 3.5GHz | 8コア/16スレッド | 20Mバイト | 40レーン | クアッドチャネル/DDR4-2133 | 140ワット | 999ドル |
Core i7-5930K | 3.5GHz | 3.7GHz | 6コア/12スレッド | 15Mバイト | 40レーン | クアッドチャネル/DDR4-2133 | 140ワット | 583ドル |
Core i7-5820K | 3.3GHz | 3.6GHz | 6コア/12スレッド | 15Mバイト | 28レーン | クアッドチャネル/DDR4-2133 | 140ワット | 389ドル |
インテルの測定によると、Core i7-4960Xと比べたCore i7-5960Xのベンチマークテストスコアは、4K動画編集処理のAdobe Premiere Pro CCで20%、3Dレンダリング処理のCINEBENCH 15で32%、ゲームにおける物理演算処理とAI処理の3DMark Fire Strikeで14%とそれぞれ向上する。
また、画質変換アプリのHandbrakeで4K動画をトランスコードした場合、Core i7-5960Xの処理時間は6コアのCore i7-4960Xと比べて34%、クアッドコアのCore i7-4790Kと比べて69%早くなっている。
Intel X99 Expressチップセットは、6基のUSB 3.0と8基のUSB 2.0、そして、10基のSerial ATA 6Gbpsを利用できるほか、ギガビットイーサネットコントローラとIntel High Definition Audioを統合する。また、ビジネス利用で利用の多いIntel ME 9.1とオーバークロックなどのチューニング設定で利用するIntel Extreme Tuning Utilityをサポート、オプションでRapid Storage Technology 13.1も対応する。
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