90ミリや100ミリなど、標準よりは焦点距離が長く、望遠よりは少し短い「中望遠」と言われるレンズは、被写体をそれになりに大きく捉えることができます。より被写体に注目させる感覚を生み出せるレンズであり、背景を整理したいときなどにも有効です。今回はキヤノンの「EOS 70D」 にタムロンの「SP AF60mm F/2 Di II LD [IF] MACRO 1:1」(35ミリ換算で96ミリ相当)を付けて撮ってみました。
単焦点レンズのキモ
- 50ミリ編:人間の視野角に最も近く、撮影イメージがつかみやすい“標準”レンズ
- 35ミリ編:情景や情緒など、ストーリーを感じる一枚を撮るならこれ!
- 21ミリ編:見る人をうならせる、広角レンズを生かした撮影方法
より被写体に注目させるよう背景を意識する
90ミリや100ミリは少し離れた場所から撮影しても十分な大きさで被写体を捉えることができます。逆に言うと、写る範囲が狭くなるので、背景や色の整理がしやすくなるというわけです。
被写体だけに気を取られることなく、「背景に今何が入っているのか」を落ち着いて考えて写真を撮ることを意識すると、被写体である小物や花、ポートレートなどにポイントを置いた写真を撮ることができます。
近づいた距離で、目で見えない幻想的な世界を捉える
背景をボカすだけではなく、前ボケを入れ被写体を目立たせることで、コビトになったような目線から幻想的な世界観を撮れることも中望遠の魅力の1つ。前ボケはボカしたい対象のギリギリ近くまでよることで、ふんわりとした仕上げにすることができます。
中望遠レンズは被写体をより大きく捉え、写真に写る範囲が狭くなるので、カメラならではの視点での1枚を撮影しやすいことから、うまく見える写真がとりやすくなります。脱初心者のファーストステップとして候補に挙げたい1本です。
(モデル:玉絵ゆきの)
撮影者プロフィール
MAKOTO TSURUTA(つるた まこと)
元『週刊ゴング』カメラマン。スポーツで写真を学び、その後メーカー担当として首都圏量販店に常勤し、一眼レフカメラの販売を担当。現在Webプロモーションを得意とする活動の傍ら、写真をさらに楽しむコンテンツサイト「PHOTOWORK」http://photowork.jp/を運営中。個人サイトはhttp://one-cut.net/
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