A4複合機は4機種9モデル、A4モバイル機は1機種1モデルを投入
キヤノンは8月28日、インクジェットプリンタ「PIXUS(ピクサス)」シリーズの2014年秋冬モデルとして、計5機種10モデルを発表した。いずれも価格はオープン。
個人向けA4複合機は、4色展開の最上位機「PIXUS MG7530(BLACK、WHITE、ORANGE、BROWN)」をはじめ、女性向けの「PIXUS Atelier(MG7530F)」、ハイスペック機「PIXUS MG6730(BLACK、WHITE)」、スタンダード機「PIXUS MG5630(BLACK、WHITE)」の4機種を用意し、カラーバリエーション含め計9モデルを9月4日に発売する。2013年秋冬モデルでエントリー機だった「PIXUS MG3530」は併売だ。
またA4モバイルプリンタの新機種として、約6年半ぶりにモデルチェンジした「PIXUS iP100」を11月上旬に発売する。
このほか、キヤノンはビジネスインクジェットプリンタの新ブランド「MAXIFY(マキシファイ)」を立ち上げ、5機種を発表した(MAXIFYは別記事で紹介)。
PC、スマホ、タブレット、そしてクラウド連携を強化
PIXUSの新ラインアップは、スマートデバイス(スマートフォン/タブレット)との連携を強化。最上位機のPIXUS MG7530のみNFCを内蔵し、NFC搭載スマートデバイスをプリンタ本体のNFCポートにタッチすることで、Wi-Fi認証・接続を行い、ワイヤレスでスマートデバイス内の画像をプリントしたり、スキャンした画像をスマートデバイスに送信したりできる「PIXUSタッチ」機能に対応する。
タブレット向けに画像補正やカレンダー/カードなどの作成・印刷が行える新しいWebアプリ「Easy-PhotoPrint+(EPP+)」も用意した。こちらは今回の新モデルに加えて、2013年秋冬モデルの「PIXUSクラウドプリント」対応機種でも利用可能だ。iOS(Safari 5.1以降)、Android(Chrome最新版)、RT除くWindows(Windowsストアアプリ版IE10以降、デスクトップ版IE9以降、Firefox最新版、Chrome最新版)、Mac OS X(Safari 5.1以降)で動作する。7型に満たないスマートデバイスは動作するものの、サポート外だ。
クラウドサービスとの連携では、スキャン系の機能を拡充した。スキャンデータを添付した下書きメールの作成、スキャンデータを添付してメール送信、スキャンデータをオンラインストレージに保存(OneDrive、Google Driveを新たにサポート)といった機能が利用できる。
そのほか、モバイルOS用のアプリ「PIXUS Print」、PC用のプリントソフト「Easy-PhotoPrint EX」、PC用の統合ソフト「My Image Garden」を引き続き用意し、接続するホスト機器がPCからスマホ/タブレットに拡大していることを受け、幅広いプリントフローを提供することが、同社の戦略となる。
PC用ドライバの対応OSは、Windows XP(SP3以降)/Vista(SP1以降)/7/8/8.1、Mac OS X 10.6.8以降だ。
女性向けモデル「PIXUS Atelier」が登場
最上位のMG7530は、昨年の主力機「MG7150」の後継に相当するプレミアムモデル。ブラック、ホワイト、オレンジ、ブラウンの4色を用意する。従来も4色展開だったが、レッドからオレンジに変更となった(レッドモデルをベースとした「シャア専用モデル」も用意しない)。
基本設計はそのままに、ボディの横幅を縮めており、本体サイズは435(幅)×370(奥行き)×148(高さ)ミリ、重量は約7.9キロとなった(MG7150は幅466×奥行き369×高さ148ミリ、約8.2キロだった)。
シリーズの中で唯一、メニュー操作に応じて必要なボタンだけがLEDで浮かび上がる静電センサー式ユーザーインタフェース「インテリジェントタッチシステム」と、大きめの3.5型液晶モニタ、100BASE-TXの有線LANを備えているのは従来通りだ。ただし、液晶モニタの輝度を向上している。
プリント/スキャナなど主要なスペックに変更はない。グレーインクを含む染料5色独立+顔料ブラックの6色インク、最高9600×2400dpi/最小1ピコリットル/計6656ノズルのプリントヘッドを搭載し、A4普通紙の印刷速度はモノクロ約15ipm/カラー約10ipm、L判カラーフチなし写真1枚の印刷速度は約18秒だ。
2400×4800dpiのCISスキャナ、前面カセットによる2系統給紙(下段:普通紙125枚+上段:はがき40枚)、自動両面印刷機能、CD/DVD/BDレーベル印刷、メモリカードスロット(SDHC対応SDメモリーカード、メモリースティックPRO デュオ)、IEEE802.11b/g/nの無線LANといった機能も搭載する。同社直販価格は2万8800円(税別/以下同)。
MG7530をベースにしたPIXUS初の女性向けモデル「PIXUS Atelier(MG7530F)」は、今回の注目機種だ。ボディをオリジナルカラーの「エクリュベージュ」で塗装し、液晶モニタのメニュー、製品パッケージ、マニュアル、店頭カタログに至るまで女性向けの専用デザインで統一している。
また、女性向けにデザイン、操作性、言葉をカスタマイズした専用スマホアプリ「PIXUS Atelier PRINT」、雑貨の作り方を紹介するプリントレシピサイト「Atelier Gallery」、さらには同プリンタでの雑貨作り体験スクールも用意する。直販価格は2万9800円。
上位2番手のMG6730は、昨年のミドルレンジ機「MG6530」の後継となるハイスペックモデル。プリント/スキャン/ダイレクトプリントの機能を最上位のMG7530と共通化する一方、インテリジェントタッチシステムと有線LANを省き、液晶モニタを一回り小さい3.0型にしている。本体サイズは466(幅)×369(奥行き)×148(高さ)ミリ、重量は約8キロと、MG7530より横幅が長い。直販価格は2万3800円。
スタンダードモデルのMG5630は、基本仕様を昨年のミドルロー機「MG5530」から引き継いでいる。プリントエンジンは5色独立インク(染料4色独立+顔料ブラック)を採用し、最高4800×1200dpi/最小2ピコリットル/計4096ノズルのプリントヘッドを搭載。A4普通紙の印刷速度はモノクロ約12.2ipm/カラー約8.7ipm、L判カラーフチなし写真1枚の印刷速度は約37秒だ。
2.5型液晶モニタ、1200×2400dpiのCISスキャナ、1段前トレイ(普通紙100枚/はがき40枚)を装備。自動両面印刷機能は普通紙のみの対応で、レーベルプリント機能やメモリカードスロットは省かれている。本体サイズは455(幅)×369(奥行き)×148(高さ)ミリで、重量は約6.3キロ。直販価格は1万6800円。
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