国立科学博物館は8月26日、重要科学技術史資料(未来技術遺産)として、カメラ付き携帯電話「J-SH04」や世界初の電子スチルカメラ「マビカ」の試作機、世界初のレンズ付きフィルム「フジカラー 写ルンです」など49件を選定した。
未来技術遺産とは、歴史的に意義があり次世代に継承すべき技術や、社会に大きな影響を与えた技術を登録して保存する制度。2008年から2013年までに135件が登録されている。
新たに追加されたJ-SH04はシャープが2000年に発表した端末で、当時のJ-フォン(現ソフトバンクモバイル)が発売。レンズと一体の11万画素CMOSを備え、撮った写真をキャリアメールで送ることができた。J-SH04をきっかけに「写メール」(写メ)という言葉が広まり、今日では当たり前になったカメラ付きケータイの先駆けとなった。
マビカ試作機はソニーが1981年に開発した電子式カメラ。フィルムの代わりにCCDを使い、専用の2インチフロッピーに画像を記録できた。記録情報はアナログ信号だったため方式的に“デジタル”ではないが、画像を電子的に記録して即時に再生したり、通信回線を使って伝送できるなど、後のデジカメ開発につながる革命的な技術として評価された。ソニーは後に、3.5インチのフロッピーディスクに画像を記録できる「デジタルマビカ」シリーズや、記録メディアにCD-Rを採用した「CDマビカ」シリーズなどを製品化している。
このほか、世界初のカメラ一体型8ミリビデオ「CCD-V8」や世界初の家庭用DV方式デジタルビオカメラ「DCR -VX1000」、超軽量化と小型を実現した“パスポートサイズ”のビデオカメラ「CCD-TR55」(いずれもソニー)、日本最初期の量産型カラーテレビ「CV-2101」(シャープ)と「CT150」(日立)、初めて漢字表示に対応した電子手帳「PA-7000」(シャープ)なども未来技術遺産に登録された。
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