米iRobotの新型ロボット「ブラーバ380j」が日本に上陸した。同社のロボット製品としては掃除ロボット「ルンバ」が有名であるが、このブラーバは、掃除は掃除でも「床拭き」専用となる。ルンバは世界で累計100万台以上が売れたという大ヒット商品。ブラーバも同様の成功を収めることができるかどうか、非常に注目されるところだ。
同社の日本総代理店であるセールス・オンデマンドは2014年7月1日、都内でブラーバの発表会を開催。本記事では、会見の内容を紹介するとともに、実際にブラーバを試用してみた感想なども交えてお伝えしたい。
ルンバとの違いは?
ブラーバの最大の特徴は、拭き掃除用であることだ。水拭きの「ウェットモード」とカラ拭きの「ドライモード」が用意されており、従来、ぞうきんやモップで行っていた拭き掃除を自動化できる。
これまで販売してきたルンバは、ゴミを吸引する掃除機ロボットだった。ルンバが日本家屋に多い畳の部屋でも使えたのに対し、新製品のブラーバはフローリングなどの固い床面専用となる。畳で使えないことがまず懸念されそうだが、日本でもフローリングが増加しており、セールス・オンデマンドもニーズは十分あると見込む。
「日本の消費者はキレイ好き。そして家の中では靴を脱いで歩く。フローリングをキレイにしたいというニーズは本来、欧米よりも高いはず」と同社 代表取締役社長の室崎肇氏(崎は正しくは山へんに立と可、以下は室崎氏と表記) 。「拭き掃除用のロボットは新しいカテゴリの商品だが、ルンバと同様に、日本の皆さまから必要としてもらえる製品になる」と期待する。
「なるべく拭き掃除もしたいが、面倒なので毎日はできない」という人も多いだろう。ブラーバがターゲットとするのは、まさにその層だ。面倒な拭き掃除をロボットが代わりにやってくれる。共働きの忙しい家庭で導入すれば、掃除に要していた時間を仕事、家事、趣味などに回すことができるだろう。水拭きは子どものぜんそく対策としても有効だ。
ブラーバの価格は3万5640円。当面は、同社のオンラインストアからのみ販売を行う。ルンバの価格帯(最廉価モデルでも直販価格で5万円以上)に比べると安く抑えられており、これまで「高い」という理由で掃除ロボットの導入を見送っていた人にも、検討するきっかけとなるかもしれない。
会見の質疑応答では、記者から「ルンバとの競合は起こらないのか」という質問も出ていたが、ブラーバは「ルンバも含めた通常の掃除に加えるもの」(室崎社長)という位置づけになっており、ルンバとの競合はないと見る。価格帯もズレており、むしろブラーバによって、新規ユーザーの獲得が見込めるだろう。
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