連載「企業内SNSの“理想と現実”」目次 | |
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第1回 | なぜ日本企業は「社内ソーシャル」導入に失敗するのか |
第2回予定 | 役員も積極活用していたA社が失敗に終わった理由 |
第3回予定 | 成功事例に見る「社内ソーシャル活用の方程式」 |
第4回予定 | 間違ってはいけないツール選定 |
第5回予定 | 社内ソーシャルが変える“ポストPC時代”の働き方 |
昨今、メールに代わる社内コミュニケーションの手段として、「社内SNS」や「社内ソーシャルシステム」と呼ばれる仕組みが注目されています。ただ、社内ソーシャル導入に挑戦した全ての企業が成功しているかというと、そうではありません。なぜ社内ソーシャル導入に失敗してしまう企業が後を絶たないのでしょうか。
本連載では、17年間にわたってグループウェア専業ベンダーとして事業を展開してきたサイボウズならではの知見をもとに、社内ソーシャル導入で失敗しないためのポイントをお伝えしていきます。
なぜ企業は社内ソーシャル導入に失敗してしまうのか
TwitterやFacebookといった個人用SNSの普及に伴い、個人による情報共有のスピードが企業内での情報共有スピードを追い抜こうとしています。そこでやり取りされる内容はさまざまで、企業を取り巻くあらゆる情報がソーシャルツールを介してあっという間に世界中に広まる時代になりました。
この流れを受け、多くの企業が注目し始めたのが「社内ソーシャル」という概念です。
例えば、「店舗で顧客から聞いた競合店のキャンペーン情報」「開発現場で出た新製品アイデア」「隣の営業部が実施しているプロモーション施策のデータ」といった情報を、部門や業務、レポートラインを飛び越えて社員同士で共有できれば、ビジネスを一層強化できる可能性があります。こうした期待から、実際に社内ソーシャル専用ツールを導入する企業も増えてきています。
しかし、いざ社内ソーシャルツールの導入に踏み切った企業からは「思うようにうまくいかない」といった声が上がることが少なくありません。
具体的には、書き込むメンバーが固定化され、現場スタッフにツールが浸透しなかったり、ツールが定着しても業務と関係のない意見交換で場が埋め尽くされてしまったり、ようやく有益な情報共有が行われはじめても、辛辣なコメントなどで意図せずに場が荒れてしまったり……。
一体なぜ、こうした事態が起きてしまうのでしょうか。
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