auとHTCの第4弾コラボモデルとして8月29日に発売されるAndroidスマートフォン「HTC J butterfly HTL23」。前モデル「HTC J One HTL22」から1年以上たっての発売とあり、日本のHTC Jファンにとってはまさに待望の新モデルの登場となった。
8月19日に開催された「HTC Conference Tokyo 2014」では、HTC CEOのピーター・チョウ氏やHTC NIPPONの村井良二社長らがHTC J butterfly HTL23の魅力を語った。また、ゲストとしてKDDIの田中孝司社長、ハーマンインターナショナルの仲井一雄社長、乃木坂46らが応援に駆け付けた。東南アジア諸国の注目度も高い端末だけあって、多数の海外メディアが会場に集まった。田中氏も「日本ではHTC製端末が大人気で、新モデルを早く出すようにという要望が多数あった」と話す。
「HTC J butterfly HTL23」で特筆すべき4つの魅力
チョウ氏はHTL23について、「HTC J butterflyのオリジナルデザインを踏襲し、必要最小限の要素と基本的ニーズを満たすものだけを搭載した、最もシンプルでピュアな体験ができる端末だ」と説明する。
村井氏が語るHTL23の特徴は「カメラ」「音楽」「使い心地」「デザイン」の4つ。
約1300万画素のメインカメラは2つのレンズを備えた「DUO CAMERA」を搭載。奥行きセンサーを採用しており、「人間の目と同じように奥行きを感じることができる」と村井氏は説明する。撮影後に自在にピント位置を変更できる「UFocus」や、擬似的な立体効果を演出する「3次元効果」、切り取った画像を別の画像に張り付けて加工できる「コピー・アンド・ペースト」などが利用可能。
「背景をぼかす機能は他社製品にも搭載されているが、HTL23ではいちいち設定する手間がなく、いつでも味のある写真が楽しめる」と村井氏は話す。そのほか、有効約500万画素という高解像度なインカメラで自分撮りへのニーズにも応える。
また、4秒間20枚の写真と3秒間のフルHD動画を1シャッターで撮影したり、多彩な加工をしたりできる「Zoe」もさらに強化し、今後は写真や動画のシェアだけでなく、友だちと音楽をリミックスするといった機能を追加していく予定だという。
音楽機能は、本体にデュアルフロントステレオスピーカーを内蔵したほか、ハーマンインターナショナルの「JBL ハイパフォーマンス インイヤー ヘッドフォン」(限定色)を同梱するなど、高品質な音を提供することに注力した。ハイレゾ音源の再生にも対応する。
使い心地については、シンプルな使いやすさに注力した。ニュース記事を配信する「BlinkFeed」では、キーワード検索でよりパーソナライズされたニュースを提供できるようになり、「Motion Launch」ではタップやスワイプといった操作で音声ダイヤルやロック解除、カメラ起動などができる。
チョウ氏が繰り返しデザインの重要性を語ったことから分かるように、HTL23はそのデザインにもこだわりがある。カラーバリエーションはルージュ、キャンバス、インディゴの3色。ルージュは光沢のあるレッド、キャンバスは陶磁器のような繊細なホワイト、インディゴはグローバルで人気の色を深い色合いでそれぞれ表現した。
壁紙も「シンプルなものは粗が出るので普通なら避ける」(村井氏)ところだが、あえて大胆な色使いで難しい表現を実現した。また、HTL23用にauがフラップケース「HTL23 Dot View Case」を投入する。ケースを開かなくてもLEDライトで着信通知を知らせたり、電話に出たり、リダイヤルをしたりすることができるのが特徴だ。
2年前にHTC製品のCMキャラクターを務めた乃木坂46は、HTL23のCMにも出演している。村井氏は「乃木坂46もHTC J butterflyもさらに大人になり、全く新しくなって帰ってきました」と語り、10曲目のシングルとなる「何度目の青空か?」が国内初披露された。
本当はもっと早く商品化する予定だった
HTC×auの第3弾コラボモデルであるHTC J One HTL22からHTL23の発売まで1年以上かかってしまった理由について、村井氏は「この1年はHTC J Oneを試してもらう期間だと考えていた。なかなかユーザーの反応が分からなかったこともあり、何度か新製品を商品化するタイミングがあったが実現に至らなかった」と説明した。「HTCとKDDIともに早く新製品を出そうとする気持ちはあったものの、両社ともディテールにこだわっていたため、予想以上に時間がかかってしまった」と村井氏は話す。今後は日本市場でミドルレンジモデルのニーズが高まってくることも予想されるため、廉価な端末の準備も進めている最中だという。
また、チョウ氏はKDDIとのパートナーシップを重視しており、「KDDIのネットワークは世界的に見ても優れており、同社のネットワークへの投資は驚くべきものがある。日本市場で学んだことはほかのグローバルな市場でも応用できるので、キャリアとは常に協力し続けていきたい」と意欲を見せた。あわせて、今後はクラウドベースのサービスやスマートフォン以外の製品を出すことを検討していると明かした。
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