ココが「○」 |
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・良好なベンチマークテストスコア |
・OCZ譲りの安定性能 |
ココが「×」 |
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・日本出荷時期未定 |
・高めになりそうな実売価格 |
メモリに続きRadeonブランドのSSDが登場
AMDが投入するSSDラインアップの正式名称は「Radeon Series Gaming SSD」で、製品名としては「Radeon R7 SSD」となる。R7ということはR9もあるのか、となるが、現在のところR9 SSDについては明らかにされていない。
Radeon R7 SSDだが、Radeon Memoryと同様、AMDが製造しているわけではない。基本的には他社の製造するSSDに、AMD Radeonのブランドネームをつけたものとなる。もっとも、SSDやメモリ自体、最近では製造を手がけるのは数社で、そのほかはOEM/ODMであることが多い。そう考えれば、AMDのケースも特殊とはいえないだろう。
製造しているメーカーについて、AMDは公開していない。公開していないが、今回評価する「RADEON-R7-240G」のケース裏を見てみると、堂々と「OCZ」のロゴがあった。また、フレームの重量感も、SSDにしてはかなり重く、フタ・フレームとも肉厚なOCZのSSDと共通する。
コントローラチップはIndilinx「Barefoot3 M00」を採用している。これは、OCZのコントローラということになる。Indilinx買収当初のOCZは、Indilinxチップの外販はしない方針だった。
また、NANDチップは東芝製で、19ナノメートルプロセスルールの「A19 MLC」としている。Barefoot3に東芝NANDという構成であれば、OCZの製品という可能性が高い。東芝傘下となった現在でもIndilinxチップの外販をしないという方針に変わりないかどうかは不明としても、OCZが製造を手掛けているのだろうという予想が成り立つ。
AMDの資料にも、OCZ製品のVector 150とVertex 460との比較データを掲載している。スペックを比較すると、シーケンシャルリード・ライトの性能はVector 150相当だ。耐久性は30Gバイト/日となり、これは50Gバイト/日であるVector 150には及ばず、20Gバイト/日のVertex 460より高い。製品保証も、米国では4年となり、Vector 150の5年、Vertex 460の3年の中間だ。Vector 150がプロ向け、Vertex 460がメインストリームに対し、Radeon R7 SSDはゲーマーとしている。
内部の基板で、Serial ATA 6Gbpsインタフェースの反対側にも専用のインタフェースを用意しているあたりもOCZの製品と共通するレイアウトだ。OCZではこの専用インタフェースを検品やRMAに活用している。基板は、中央にBarefoot3のコントローラを置き、その周囲に8基のNANDチップ、Serial ATA 6Gbpsインタフェース側にキャッシュメモリを置くレイアウトだ。
NANDチップは基板の表裏合わせて16基で空きパターンはなく実装している。チップは東芝「TH58TEG7DDKBA4C」だ。このチップ自体はプレクスターのM6シリーズなどで採用例がある。キャッシュメモリチップはMicronの「D9PSH」。1.35ボルト駆動のDDR3-1600メモリで容量は1つ2Gビット(256Mバイト)。これが表に1つ、裏に1つあるので、合わせて512Mバイトということになるだろう。コントローラチップのBarefoot 3には、この製品で唯一の熱伝導シートを貼っていた。逆にNANDチップやキャッシュメモリチップにはシートを貼っていない。刻印からも「IDX500M00」というチップ型番が確認できる。
なお、Barefoot 3 M00にA19 NANDチップという組み合わせは、COMPUTEX TAIPEI 2014のOCZブースで展示していた「Vector 180」シリーズと同じだが、基板デザイン、特にキャパシタの搭載レイアウトが大きく異なる。展示していたVector 180が試作だったという可能性もあるし、あるいはターゲットセグメントが異なるということもあるかもしれない。Vector 180は、エンスージアスト、および、エントリーレベル・サーバ向けで、展示機では多数のキャパシタを搭載していた。一方で、Radeon R7 SSDのキャパシタは、必要最小限といった印象だ。
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