Quantcast
Channel: ITmedia TOP STORIES 最新記事一覧
Viewing all articles
Browse latest Browse all 17593

花火大会でどれだけ快適に通信できる?――ドコモ、au、ソフトバンクのスマホで計測してみた

$
0
0

 夏といえば花火。この8月は毎週のように各地で花火大会が開催されており、筆者は2日の江戸川花火大会に行ってきた。2013年は江戸川区側で約90万人もの人が集まっており、その規模は東京の花火大会の中でも屈指といえる。今年も江戸川河川敷には大勢の人が集まり、開始直前の18時50分ごろには、丘から見渡す限り、人、人、人……といった状況だった。

photo江戸川河川敷は人でごった返していた。遠くに見える2台の車はauとソフトバンクの移動基地局

 こうした大勢の人が集まる際に気になるのが、携帯電話のネットワークだ。一昔前は、花火大会などのイベントではトラフィックが混雑してケータイがつながらないことはざらだったが、最近は各社とも、イベントで大勢の人がいっせいに通話や通信をしても、トラフィックがひっ迫しないよう対策を行っている。

 各社に確認したところ、この江戸川花火大会ではNTTドコモとKDDIが1台ずつ、ソフトバンクモバイルが4台の車載型の移動基地局を稼働させていたという。移動体基地局では、ドコモがLTE、KDDIがLTEと3G、ソフトバンクモバイルがLTE(AXGPは除く)と3Gをカバーしており、会場では実際に3キャリアの移動基地局を確認できた。ちなみに、KDDIは一部のイベントで「キャリアアグリゲーション」対応の基地局も稼働させているが、江戸川花火大会では稼働していなかった。また、ドコモとKDDIは周囲の基地局を増強する対策も行っている。

photophotoNTTドコモの移動基地局(写真=左)。KDDIとソフトバンクモバイルの移動基地局は同じ場所に並んでいた(写真=右)
photophoto移動基地局のアンテナも確認できる

 しかし数万人、いや数十万人が一斉に集結する環境で、エリア対策は本当に効果があるのだろうか? というわけで、花火の開始直前と打ち上げの最中に、3キャリアのスマートフォンで通信速度を測ってみた。測定した機種は、ドコモが「Xperia Z2 SO-03F」、auが「HTC J One HTL22」、ソフトバンクが「iPhone 5s」。測定には「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用した。

photoソフトバンクのiPhone 5sでは、速度を計測できなかった

 まずは開始直前の19時ごろに測定。Xperia Z2は下りが3〜5Mbps(平均5.116Mbps)、上りが1Mbps前後(平均1.114Mbps)とまずまずの速度。HTC J Oneは下りが1Mbps前後(平均1.184Mbps)とやや遅く、上り(平均2.34Mbps)の方が速かった。少々意外な結果となったのがソフトバンクのiPhone 5s。何度か試したが、「測定中にエラーが起きました」というアラートが表示され、一度も速度を測定できなかった。アプリだけの問題か? と思ったが、iMessageの送信に数分かかっていたので、実際にLTEでの通信ができていないことが分かる。


花火開始直前(19時ごろ)
Xperia Z2 SO-03FHTC J One HTL22iPhone 5s(ソフトバンク)
下り上りPING下り上りPING下り上りPING
1回目5.81.15360.981.95416計測不能計測不能計測不能
2回目3.830.51331.221.58516
3回目3.751.89490.962.1262
4回目5.550.4431.243.2838
5回目6.651.62321.522.7746
平均5.1161.11438.61.1842.34215.6
※下りと上りはMbps、PINGはms。

 続いて花火の打ち上げ中。花火の写真や動画をSNSに投稿する人が増えるため、打ち上げ中は特にトラフィックが増大することが予想される。Xperia Z2は下りが3〜9Mbpsと計測時によって差が出たが、平均の6.79Mbpsは打ち上げ直前よりも速い。上りは平均0.908Mbpsで、打ち上げ直前からやや遅くなった。HTC J Oneは最初は測定できなかったが、再起動してから計測し直したところ、下りは10〜18Mbpsと速かったが、上りは平均1.084Mbpsで、打ち上げ直前よりも1Mbpsほど遅くなった。打ち上げ直前と比べ、Xperia Z2とHTC J Oneはどちらも下りが速く、上りが遅くなったのは、やはり打ち上げ中はSNSなどに写真や動画を投稿していた人が多かったためだと思われる。

photo花火を横目に速度測定。もはや花火を見に来たのか、速度を測りに来たのか、よく分からない状況ではある

 ソフトバンクのiPhone 5sは、今回も計測不能となってしまった。再起動して測り直してみたが、状況は変わらず……。Twitterアプリの「Echofon」を立ち上げて何度か更新を試みたが、タイムラインを読み込めなかったので、通信できていなかったことが分かる(当月の通信量、7Gバイトをオーバーしたわけではない。念のため)。

花火打ち上げ中(20時5分ごろ)
Xperia Z2 SO-03FHTC J One HTL22iPhone 5s(ソフトバンク)
下り上りPING下り上りPING下り上りPING
1回目3.80.784218.131.1855計測不能計測不能計測不能
2回目8.730.794013.491.3985
3回目5.811.314210.350.9253
4回目9.740.942611.091230
5回目5.870.723211.910.9351
平均6.790.90836.412.9941.08494.8
※下りと上りはMbps、PINGはms。

 一方、家族のソフトバンク版「iPhone 4S」で試したところ、何と普通に通信ができた。iPhone 4SはLTEには対応しておらず、3Gで通信をする。もしや……と思い、iPhone 5sのLTE通信をオフにして3G通信に変更したところ、問題なく通信できた。20時半ごろに3回速度を測ったところ、下りが2.19、2.79、4.49Mbps、上りが0.37、0.41、0.39Mbpsだった。筆者の環境ではLTEは残念ながらつながりにくかったが、3Gはエリア対策が功を奏した形といえる。

photophotophotoソフトバンクのiPhone 5sではTwitterのタイムラインも読み込めなかった(写真=左)。iPhone 5sの「設定」→「モバイルデータ通信」→「4Gをオンにする」をオフにすると3G通信に切り替わる(写真=中)。すると下り2〜4Mbpsの通信が可能になった(写真=右)

 LTEのトラフィックが増大して通信しにくい状況になった時点で、3Gへ切り替えてほしいところだが、LTE圏内にいるときは、3GよりもLTE通信が優先されるため、手動で切り替えるしか方法がなさそうだ。LTEスマートフォンを使っていて通信しにくくなった場合、LTEをオフにして3G通信に切り替えると改善される場合があるので、覚えておきたい。

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


Viewing all articles
Browse latest Browse all 17593

Trending Articles