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アップル vs. サムスン訴訟合戦まとめ

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 米Appleと韓国Samsung Electronicsは8月5日(現地時間)、スマホなどの特許に関する米国外でのすべての訴訟を取り下げることに合意したと発表しました。対象は、日本、オーストラリア、韓国、ドイツ、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの8カ国での訴訟。米国内での訴訟は継続されます。

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 そもそもなぜアップルとサムスンは法廷で争っていたのでしょうか? アップル vs. サムスンの、3年以上に渡る訴訟合戦を振り返ってみました。

 発端は2011年4月、アップルが「GALAXYシリーズは、iPhoneとiPadの特許を侵害している」として、カリフォルニア北部地区の連邦地裁に提訴したことです。サムスンはアップルのデザインを模倣しているという主張です。

 一方のサムスンも、アップルが無線通信技術などの特許を許可なく使用したとし、韓国、日本、ドイツでアップルを逆提訴します。その後、係争は欧州などにも広がっていきます。

 2011年11月、欧州委員会はサムスンの訴訟材料である3G通信関連技術が、「FRAND特許」に該当するとし調査を始めました。「FRAND特許」とは、公平で合理的かつ差別のない、技術の普及のために幅広く提供すべき標準特許のこと。欧州委員会は、サムスンの「FRAND特許」をアップルに利用させないのは、公平な競争を妨げており、EUの独占禁止法に違反するとしました。

 2012年7月の英高等法院では、「GALAXYはiPadほどクールではないから、サムスンのタブレットはiPadと混同しない」として、デザインの特許侵害であるというアップルの主張を退けたことも。

 係争中は一進一退の攻防が続きましたが、2014年3月、米地裁はサムスンに約9億3000万ドルの賠償を命じる判決を下しました。しかしアップルが求めたサムスン製品の販売差し止めは棄却。5月にはサムスンに1億1960万ドル、アップルに15万8400ドルの損害賠償支払いを命じました。

 そして今回の訴訟取り下げ。理由は明らかにされていませんが、これまでに10カ国で50件以上の訴訟合戦が行われており、裁判は複雑化、泥沼化し、コストが増加したためと考えられます。

 さらにサムスンは2013年度まで好調だったものの、2014年はスマホ関連事業の失速により急激に業績が悪化。アップルは2013年度時点で成長率が売上、営業利益ともに減少しており、製品についてもマイナーアップデートばかりだという批判が少なくありません。両者は裁判所で消耗戦を続けるよりも、自社で製品開発や販売強化に力を向けることが有益だと判断したのかもしれません。

 また、本丸である米国での訴訟にも集中できるというメリットがあります。今回ライセンス関連の合意は含まれておらず、最終合意に至るにはまだ時間がかかるようです。ところでアップルは、サムスンがパーツの供給元である一面も。提携している企業同士が争うとはちょっと変な感じですね。

 来月、サムスンは「Galaxy Note 4」、アップルは「iPhone 6」を発表するというウワサも。ユーザーにとっては、訴訟合戦よりも製品合戦に力を入れてほしいところです。

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