ソフトバンク傘下の米Srpintは8月6日(現地時間)、CEOの交代を発表した。8月11日付で新社長兼CEOに就任するのは、ソフトバンクが2013年10月に買収した米モバイル端末卸売大手Brightstarの創業者で社長兼CEOのマルセロ・クラウレ氏(43)。同氏は2014年1月にSprintの取締役に就任している。
Sprintの孫正義会長は発表文で「マルセロ(クラウレ氏)は立ち上げたBrightstarを世界的な通信企業に育て上げた成功した起業家だ。経営経験と情熱、そしてワイヤレス業界で最強のネットワークと最良のサービスを作り出す意欲を併せ持っている」と語った。
同氏はまた、「われわれは依然として業界再編が健全な競争と顧客の利益を増進すると信じているが、まずはSprintを最強のキャリアにすることに集中する」とも語り、米T-Mobileの買収を断念はしたが、完全に諦めたわけではないことを示した。
クラウレ氏は「短期的には、サービスの低価格化で市場競争に積極的に取り組む。長期的には業界再編が意味を持つが、今はまず成長と業界でのリポジショニングに集中する」と語った。
クラウレ氏はBrightstarのCEOを8月11日付で退任し、Brightstarは暫定CEOの下で新CEOを探す。
2007年にSprintのCEOに就任したダン・ヘッセ氏(60)は米通信キャリア2位のAT&T出身。ソフトバンクによる買収発表の際、「ソフトバンクから、そして孫社長からさまざななことを学んでいきたい。今回の投資を受けることで、Sprintはにアメリカ市場におけるポジションを固められると思う。アメリカで1位になることを目指している」と語った。だが、前四半期にようやく赤字から脱したものの、加入者の流出を減少させることはできていなかった。
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