「いつでもどこでも仕事に便利」を目指して
レノボ・ジャパンは8月6日、10型Windowsタブレット「ThinkPad 10」の技術説明会を開催した。すでに発表済みの製品だが、国内メディア向けに実機が公開されるのは今回が初めて。
ThinkPad 10は、アスペクト比16:10のWUXGA(1920×1200ピクセル)液晶を搭載した10.1型タブレットで、視野角の広いIPS液晶や堅牢性の高いゴリラガラスを採用するほか、CPUにBay Trail世代のAtom Z3795(1.59GHz/最大2.39GHz)を搭載し、ノートPC並みの処理能力を備えているのが特徴だ。
レノボ・ジャパンでThinkPad製品を担当する吉原氏は、IDCのデータを引用して、法人市場ではノートPCがほぼ横ばいで堅調に推移する一方、2 in 1といった新しい形態のデバイスに伸びしろがあると指摘。「タブレットだけでは入力しづらい、キーボードが欲しいという声を聞く。タブレットとキーボードを組み合わせたデバイスの需要が増える気配がある」としてThinkPad 10を製品化した背景を説明した。
また、ThinkPad 10は64ビットWindows 8.1 Proを搭載できることから、企業内の既存のITインフラに導入しやすいという特徴を持つ。従来のThinkPad Tablet 2がターゲットとしていた法人市場を引き継ぎつつ、特に教育や医療現場、POSシステム等のでの利用を促進する構えだ。
一方、ThinkPad 10の詳細な説明は、同社タブレット開発エンジニアの加藤氏が担当した。ThinkPad 10で目指したのは「いつでもどこでも仕事に便利」なデバイスだ。この“いつでもどこでも”は一般的にモバイル利用を指す場合が多いが、加藤氏はこれに加えてオフィスや自宅での利用シーンも含めたと話し、「携帯性と堅牢性の両立」「仕事をこなせるパフォーマンスと使いやすさ」「豊富で便利なアクセサリ」「ビジネスをサポートするWindowsプラットフォーム」の4つに注力して製品開発を行ったという。
モビリティと堅牢性を確保するために
まず、どこにでも持ち運べる携帯性と、持ち運び時のストレスに耐える堅牢性の2つを両立するために、リアカバーの素材にアルミニウムを用い、剛性を確保しつつ薄型化を実現した。具体的には樹脂カバーのThinkPad Tablet 2と比較して、1.2ミリから0.8ミリへ約33%薄くなっている。また、アスペクト比16:10の10.1型液晶になったことで前面のガラスサイズは107%と広くなっているが、LCDタッチモジュールを15%薄型化し、さらに第3世代Gorilla Glassを採用することで、ガラスの厚みを0.15ミリ薄くする一方、重量は約13グラム軽量化したという。
さらに本体内部には、ThinkPadのロールケージ構造を応用したマグネシウムフレーム配置し、ベゼルと一体化することで堅牢性を確保。標準USBポートなど外圧が加わって損傷しやすいコネクタ部にはメタルブラケットで補強した。ちなみに、落下試験や曲げ試験などのトーチャーテストはThinkPadと同じ評価基準で行い、これに加えてタブレット専用の評価項目も設けている。このほか、軽量化への取り組みとして、ワイヤレスアンテナの小型化も行った。
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