2007年、当時はまだ米マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生だったDropbox創業者のドリュー・ヒューストン氏は、バスでボストンからニューヨークに向かう途中、小さな問題に直面した。道中で作業するためのファイルを保存したフラッシュドライブを、自宅に忘れてきてしまったのである。若かりしヒューストン氏は、自分に対して腹を立て、失望し、自責の念に駆られた。その後、同じようなことを繰り返さないようにする方法を考え出すと強く誓った。そして、Dropboxという企業が誕生した。
Dropboxは、米サンフランシスコを拠点とし、オンラインでのファイル同期を専門とした新興企業。それが今では2億人のユーザーと500人の従業員を抱える企業に成長した。同社の最高経営責任者(CEO)であるヒューストン氏は現在、これまでと全く異なる問題の解決に取り組んでいる。トップレベルの人材採用に関する問題だ。
ヒューストン氏は2014年1月下旬、米マサチューセッツ州ケンブリッジにある母校に出向いた。そこで、MIT Technology Reviewの編集長、ジェイソン・ポンティン氏と「人材を巡る戦い」と題した対談を行った。
本稿では、この対談を基に人材採用を成功に導くための5つのアイデアを紹介する。
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