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変形合体“7スタイルPC”の意外な性能とは?――「dynabook KIRA L93/W9M」(ベンチマークテスト編)

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←・東芝入魂の超変形マシン:斬新すぎる“7スタイルPC”の実力は?——「dynabook KIRA L93/W9M」(使い勝手編)

ココが「○」
・第4世代Core Y搭載機では高い性能
・sRGB相当の色鮮やかな高精細液晶
・静音性、放熱性も優秀
ココが「×」
・第4世代Core U搭載PCより重い
・タブレット利用で排気口が気になる

レビュー後編は各種テストでPCとしての実力に迫る

 前回東芝の“7スタイルPC”こと「dynabook KIRA L」シリーズに備わった数々の特徴をチェックした。試用したのは、同社直販サイト(東芝ダイレクト)のWebオリジナルモデル「dynabook KIRA L93/W9M」だ。店頭モデルよりCPUとSSDがハイスペックなほか、Office 2013の有無も選べるのがありがたい。

 今回はパフォーマンスをはじめ、液晶ディスプレイの表示品質、バッテリー駆動時間、騒音、発熱といった各種テストを行い、PCとしての実力を明らかにしていこう。

dynabook KIRA L東芝ダイレクトの「dynabook KIRA L93/W9M」

上位クラスのUltrabookに迫るパフォーマンス

 L93/W9Mの主なスペックをまとめると、CPUがCore i7-4610Y(1.7GHz/最大2.9GHz/4Mバイト3次キャッシュ)、グラフィックスがIntel HD Graphics 4200、メモリが8Gバイト(PC3L-12800/デュアルチャンネル)、ストレージが256GバイトSerial ATA SSD、OSが64ビット版Windows 8.1 Updateだ。Windowsの電源プランは基本的に「バランス」で行なっているが、一部は「高パフォーマンス」でも実施した。

 dynabook KIRA Lが採用する第4世代Core(開発コード名:Haswell)のYシリーズは、通常のTDP(熱設計電力)に加えて、タブレット向けにSDP(Scenario Design Power:利用シナリオに即した電力設計)という電力指標が追加され、メーカー側が柔軟な電力管理を行えるため、CPUのスペックから実際の性能を予想しにくい。

 実際にはCPU本来のスペックより性能がかなり抑えられている製品もあるのだが、L93/W9Mのパフォーマンスは非常に良好だ。CPUに高負荷がかかるCINEBENCH R15では、Core i5-4210Y(1.5GHz/最大1.9GHz/3Mバイト3次キャッシュ)を搭載した他機種に比べて、CPUスコアが約28%高く、Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz/3Mバイト3次キャッシュ)を備えた「dynabook KIRA V634/28KS」の約86%に相当する好結果が得られた。

 Windowsの電源プランによってパフォーマンスが変動することもあるので、標準の「バランス」設定だけでなく、「高パフォーマンス」設定でもテストを実施したところ、スコアがわずかに上昇したが、バランスでもCPUのパフォーマンスを十分引き出せていると言えそうだ。

dynabook KIRA LCINEBENCH R15のスコア

 評価機が内蔵する256GバイトSSDはSamsung「MZMTE256HMHP」だった。Serial ATA 6Gbps対応のmSATA SSDであり、最新のM.2ではないが、性能面に不満はない。データストレージ性能を計測するCrystalDiskMarkのテスト結果は、Windowsタブレットとしてはもちろん、モバイルPC/Ultrabookに搭載されているSSDとしても高速な部類に入る。

dynabook KIRA LCrystalDiskMark 3.0.3のスコア

 PCMark 7のスコアは、日常的な操作における快適さの目安になる。総合スコアではCore i5-4200Uを搭載したdynabook KIRA V634/28KS(タッチパネル非搭載)とほぼ同じスコアをマークした。ただし、LightWeight Score、Productivity Scoreの2項目はタッチパネル搭載機では異常値が出るため、タッチパネル非搭載モデルとの比較ではこの2項目を除外して見ていただきたい(総合スコアなど他の項目への影響はない)。

 ここでもWindowsの電源プランを「バランス」から「高パフォーマンス」に変更してテストしてみたが、スコアに変化はなかった。

dynabook KIRA LPCMark 7 1.4.0のスコア

 グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 4200を利用する。3D描画性能を評価する3DMarkのスコアは、上位のIntel HD Graphics 4400を採用したdynabook KIRA V634/28KSに比べて少し低く、Cloud Gateでは約86%のスコアだった。CPU内蔵グラフィックスの最大クロックが、Core i5-4200Uが1.0GHzであるのに対し、Core i7-4610Yは850MHzである点が影響しているだろう。電源プランの変更も効果はなかった(グラフでは割愛)。

dynabook KIRA L3DMark 1.2.362のスコア。L93/W9M以外は過去にVer.1.2.125で計測した値(スコアがない項目は未測定)

 定番ゲームのテストであるFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編でもやはりdynabook KIRA V634/28KSに比べて少し劣るスコアだ。

dynabook KIRA LFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコア

 これまで第4世代Core Yシリーズを搭載した2in1、タブレットはいくつかレビューしてきたが、その中でも飛び抜けて性能がよい。ボディの大きさや重さ、ファン内蔵の冷却機構を考えると当然かもしれないが、この高いパフォーマンスは長所として大いに評価できる。

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • CINEBENCH R15(CPU性能評価)
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.362(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定(一部テストは「高パフォーマンス」でも実施)



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