佐賀市立大和中学校の英語科教員である中村純一教諭は、自費で購入したAppleのタブレット「iPad」10台を授業などの学校活動で活用している(参考:もし“普通の公立中学”がiPadで英語授業を始めたら)。教育の情報化にかけては先進的だといわれる佐賀県にありながら、同校にはタブレットはおろか、無線LANや電子黒板なども十分に配備されていない。「教育の情報化を進めるには、教員や生徒が実機を触ることが第一だ」という自身の考えから、自費購入によるタブレットの授業での活用に踏み切ったという。
中村教諭は、韓国の教育事情に詳しい“韓国通”でもある。韓国人の教員や研究者とのつながりも多く、親交も深い。Googleのビデオチャット「Hangouts」を使って韓国の学級と国際交流するなど、語学とITを生かした教育活動を積極的に実践している。こうした取り組みは、韓国・ソウル市で開催される年次の教育展示会「e-Learning Korea 2013」で第3位に相当する「the Bronze Prize of Best Paper Award」を受賞するなど、韓国の教育関係者からの評価も高い。
SNSの「Facebook」に300種以上ものアプリ情報を投稿するなど、アプリやWebサービス、デバイスの知識も豊富な中村教諭。その豊富な知識を基に、佐賀県高度情報化推進協議会主催の情報化セミナーやiPad活用研究会佐賀支部などでの指導を通して、教育現場でのIT活用の推進に貢献している。そんな中村教諭から、教育現場でITの可能性を引き出すための3つの秘訣を聞く。
連載: iTeachersに聞く、IT活用「3つの秘訣」
- 第1回:「タブレットで動画撮影」が“学び心”を刺激する——大阪大学 岩居教授
- 第2回:タブレットは紙と鉛筆の“置き換え”ではない——袖ヶ浦高校 永野教諭
- 第3回:“PDCA軽視”の学校にIT化成功は無い——玉川大学 小酒井 正和准教授
- 第4回:「iPadしか使わない学校」は時代遅れに——デジタルハリウッド大学 栗谷幸助 准教授
- 第5回:“IT嫌い”の先生が変わるたった1つの工夫——神戸大学大学院 杉本真樹医師
- 第6回:“使われないIT”を学校に生まない5つの視点——附属新潟小学校 片山敏郎教諭
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