彼女が今回また注目を浴びたのは、7月3日、ASKA被告(本名・宮崎重明、56)の保釈がきっかけだった。覚せい剤取締法違反で逮捕・起訴されていたASKA被告が、この日の夕方、勾留先であった東京・湾岸署から保釈された。
報道陣とともにその瞬間を待ち構えていたファンとしてインタビューされた女性・秋本志保さんの映像がテレビで流れると、「また“あの女”が登場」と、キャプチャ画像がネット上に拡散された。秋本さんは、過去に、押尾学や酒井法子といった有名人裁判、首都圏連続不審死事件で殺人などの罪に問われている木嶋佳苗被告といった注目裁判でファンとして、また傍聴人としてインタビューに答えていたのである。
過去にメディアに登場した際のキャプチャ画像がまとめられて拡散されると同時に、秋本さんはただのファンではなく「テレビ局によるやらせ要員なのではないか」「エキストラではないか」との疑惑が広まっていった。彼女かどうか判然としないキャプチャ画像まで「本人」としてまとめられていく。
一方、筆者はこの騒動を不安な気持ちで眺めていた。なぜなら、木嶋被告の一審判決時に秋本さんの存在がネット上で話題になった際、すでに取材を行っていたからである。これは2012年、13年に、漫画誌「漫画ナックルズ」や雑誌「BLACKザ・タブー」(ともにミリオン出版)に掲載された。彼女は凄まじいバイタリティで世界中を駆け巡る“最強追っかけ女”であり、“やらせ”ではない。
彼女はトム・クルーズやレディ・ガガ、ローリング・ストーンズといった海外のトップスターをはじめ、国内のタレントを追いかけて“2ショット”を撮影するだけでなく、犯罪者を追いかけて傍聴のため裁判所にも出没している。裁判所では傍聴ライターの筆者もたびたびお目にかかったことがある。
しかしネット上での「疑惑」は大きくなり、もはや「やらせで確定」として広まりつつあった。筆者は版元に許可を取り当時のインタビュー記事をスキャンしてTwitterにアップし、やらせ騒動の行く末を見守った。
とはいえ、彼女を知らない人にとっては、なぜそんなに街頭インタビューに出演しているのか? 本当にやらせじゃないのか? など、疑問はいくつも残っていることだろう。今回、そうした疑問を全て秋本志保さん本人にぶつけた。
ASKAさんは昔から好きでした
——秋本さんは古くはオウム事件から、有名裁判の傍聴には通われているとおっしゃっていましたよね。また一方、有名人の追っかけはお母様と一緒に3歳ぐらいから始めていたとも聞きました。今回注目を浴びたのはASKA被告の保釈の際に湾岸署で出待ちしていたところをファンとしてインタビューされたのがきっかけですが、本当にASKAのファンなんですよね?
はい。ASKAさんのことは飛鳥涼時代から好きでした。小学校6年生の時にトランペットを始めて、最初に吹いた楽曲が飛鳥涼さんの「パラダイス銀河」と「ガラスの十代」だったのです。トランペット初心者の自分にもこんなカッコイイ楽曲が吹けるものか!」と感激させてくれた恩人で、大好きなメロディーメーカーなんです。あと高校3年生の頃、CHAGE&ASKA好きの彼氏の影響でチャゲアスが好きになりました。私にとってのチャゲアスは青春そのもの。地元の香川県民ホールに来てた時はもちろん、東京に出て来てからもコンサートには行き続けてしまうのです。
そんなASKAさんが逮捕されたと聞き、居ても立ってもいられなくなって湾岸署で出待ちをしていたのですが、他局のリポーターの後ろにスタッフと思われる人物と、何やら打ち合わせをしている様な所が写り込んでいる画像も出回っていて、やっぱりやらせだ、と言われてるので衝撃でした。
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