仏通信キャリアのIliadは7月31日(現地時間)、米通信キャリア4位のT-Mobile USに買収を提案したと発表した。T-Mobileの株式の56.6%を1株当たり33ドル、総額150億ドルで買収するというもの。
Iliadは低価格のサービスで急成長中の仏通信キャリア。2014年4月末段階の加入者数は1430万人(T-Mobileの加入者数は5000万人)。
同社は発表文で、Iliadは米国外の企業であることから、この買収が独禁法に触れる懸念はないとしている。
T-Mobileをめぐっては、ソフトバンク傘下の米SprintがT-Mobileの親会社である独Deutsche Telekomと買収を交渉しており、両社は6月の段階で総額300億ドル超での買収で大筋合意に達したと報じられている。現在米国3位のSprintが4位のT-Mobileを買収すれば、VerizonとAT&Tの寡占状態に対抗し得るシェアを持つことになる。
T-MobileはIliadから買収提案を受けたことは認めたが、それ以上のコメントは拒否した。
T-Mobileのジョン・レジャーCEOは31日の業績発表後の会見で、なぜSprintとの合弁を検討しているのかという質問に対し、ワイヤレス事業は長期的には規模のゲームであると答え、Sprint以外にも複数の可能性があると語った。
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