8.5時間のバッテリー駆動と7秒起動、そしてパフォーマンス
日本エイサーは、7月23日に同社が投入する「Chromebook C720」の特徴と日本における導入事例を紹介する説明会を行った。日本向けのChromeboook C720については、7月16日に法人と教育市場に限定して出荷することを発表しており、実機についても、7月14日にグーグルが行った日本市場向けのChromebook発表会で紹介している。
日本エイサーは、Chromebookの特徴として、どこにいても自分が保存しているデータにアクセスでき、常にバックアップをとっている安心感があり、多くのユーザーが不安に思う処理性能についても、短い起動時間など問題なく、かつ、PCと違ってウイルスの心配は不要で、セキュリティアップデートは起動時に自動で行うため安心して使えることなどを挙げている。
Chromebook C720の特徴では、最大8.5時間のバッテリー駆動時間をまず最初に訴えたほか、電源を入れてからログイン画面を表示するまで約7秒と短時間で起動できること、そして、CPUにインテルの第4世代Coreプロセッサーファミリーの「Celeron 2955U」(1.4GHz、2コア/2スロット、TDP15ワット)を採用し、システムメモリにDDR3Lを4Gバイト実装たことによる処理性能の高さをアピールする。
法人向けのChromebookとして、本体に搭載するインタフェースの多さも訴求する。Chromebook C720には、USB 3.0とUSB 2.0、SDカードリーダ、そして、映像出力インタフェースとしてHDMIを備えている。なお、液晶ディスプレイのサイズは11.6型で、解像度は1366×768ピクセル。ストレージは16GバイトのSSDを搭載する。無線接続では、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth v4.0が利用できる。本体のサイズはは288(幅)×204(奥行き)×19.05(高さ)ミリ、重量は約1.25キロだ。
創造的に使うならタブレット以上の何かが
日本市場における導入事例としては、発表から間もないChromebook C720ながら、事前に試験導入を進めている教育機関があるなど、すでに10の教育機関に導入していると日本エイサーは述べている。説明会では、導入事例の1つとして東京の「広尾学園」を取り上げ、導入を進めた教職員がChromebookを選択した理由を紹介している。
そこでは、何かをつくりあげる作業ではタブレット以上のものが必要となることや、従来、新入生250人に配布するPCの初期設定に教職員2人で3日間かかっていたのが、Chromebookでは、管理コンソールを使って5分で終わってしまうことなどを取り上げた。
その上で、Chromebook C720のバッテリー駆動時間が8.5時間であることが、生徒の多くがACアダプタを持ち歩かない状態でも学校にいる間中使い続けることができることや、GoogleのアカウントでChromebookと自宅で使うPCを簡単に動機できること、対応アプリを導入すればMicrosoft Officeで作ったドキュメントも閲覧と編集ができ、かつ、リモートデスクトップアプリを導入すれば、ChromebookでもWindows 8を導入したPCを遠隔操作できることなどを訴求した。
欧州集中からバランスのいいグローバル展開が進む
説明会の冒頭では、Acerの事業実績について説明があった。2014年第1四半期の製品別収益内訳ではノートPCが60%、デスクトップPCが17%、ディスプレイが9%、その他8%、そして、タブレットは4%となったほか、これまでEMEA(欧州中東アフリカ)市場が半分以上を占めていたという地域別の収益内訳では、EMEAが40%に減り、その代りアジア太平洋州が24%に増えるなど、各地域のバランスが取れた収益内訳になってきたと説明している。
また、Acerの開発理念として、これまで「Human」というキーワードを掲げてきたが、それに加えて、「Curious」「Progressive」という言葉を掲げて、ユーザーの好奇心を刺激する革新的な製品の開発を目指していくと述べている。その上で、従来から競争力を持っていたノートPC、デスクトップPC、ディスプレイの分野では事業を強化し、将来性のあるタブレット、スマートフォン、そして、Chromebookの分野では、“Curious”“Progressive”な製品を投入して事業規模を拡大するとした。
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