PCゲーマー御用達のアキバPCパーツショップ「パソコンSHOPアーク」
パソコンSHOPアークといえば、SteelSeriesやRazerなど、PCゲーマーから支持されるゲーミングデバイスを多数取りそろえていることで知られるアキバのPCパーツショップだ。もとの店舗は川崎にあったが、2002年にアキバへ移転。その後、2006年に現店舗がある外神田3丁目に店を移している(千代田区外神田3-16-18 通運会館1階)。店長は川崎時代のオープニングスタッフでもある村上斉之氏だ。
2006年以降のアキバを振り返ってみれば分かるように、この時期はPC自作の最盛期を支えてきた個性的な老舗PCパーツショップが相次いで閉店していった“冬の時代”。そんな中、パソコンSHOPアークは、PCゲームに特化した販売にシフトし、今ではPCゲーマー御用達のショップとして高い評価を集めるに至った。いわばPCゲームという1点突破で生き残ってきたわけだ。
PCがコモディティ化した現在、日常的な作業であれば安価で低スペックなPCでも十分こなせるようになっており、あえてハイスペックな自作マシンを組む理由は少ない。その数少ない動機になりうるのがPCゲームだと村上店長は語る。「PCゲームは高い性能を求めるタイトルが多いうえ、ただ動作するというだけでなく、よりより品質で楽しみたいと思うなら、さらにハイパフォーマンスなシステムが必要になります」と同氏。続けて「今後は4K解像度を超えるハイレゾ環境が普及することで、ゲーム機では提供できないリッチな体験をPCで楽しめるようになっていくでしょう。そういう面でもPCが“巻き返し”を図る1つの材料になると思っています」と展望を語る。
ちなみに、同店がPCゲーマー向けショップを前面に押し出したのは、実はかつてゲーマー向けPCパーツショップとして名をはせたOVERTOP(2005年に閉店)のバイヤーが移籍していたことも理由の1つ。また、eSports界の有名プレイヤーが在籍していた時期もあり、現在も店舗スタッフはPCゲームが好きな人ばかりだ(店舗スタッフによるゲーミングデバイスのレビューを見れば、そのマニアぶりが分かる)。
デモ機や試遊台の多い店内はぶらっと遊びに行くだけでも楽しい
PCゲーマー向けのショップを目指すにあたって、特に力を入れているのがデモ機の多さと村上店長は語る。
実際、ゲーミングデバイスコーナーを見ると、有名ブランドの名機から最新モデルまで、非常に数多くのマウスを並べ、実際のゲームタイトルでプレイしながら使用感を試せるようになっている。特にマウスは手の大きさやそれまで使っていたマウスのフィーリングなどが大きく影響するので、なじみのゲームで使い心地を確認できるのはうれしいところだ。
もう1つ、フライトシューティングやカーレースなど、大型の試遊台が設置されているの同店の特徴だ。友人とアキバで待ち合わせをして、時間までまだちょっと余裕がある、そんなときにぶらっと立ち寄って時間をつぶすにもちょうどいい。
「購入目的でなくても店舗に立ち寄っていただけるのはうれしいです」と村上店長。「実際、ウチはリピーターが多く、顔なじみのお客さまは『何か面白いのない?』と、特に目的もなく来てくださる方もいます。最近遊んでいるゲームの話をしたり、そうした体験が積み重なって、新しいマウスが欲しいときや、新しいPCが欲しくなったときにアークを選んで頂けているのだと思います」と、リアル店舗ならではの魅力をアピールする。
村上氏は、このアキバでほぼ10年間PCパーツを販売してきて、最近はPCゲーマーの裾野が広がり、女性をはじめとするいわゆる“ライト層”が増えていると話す。「以前からアキバに親しんできた自作派層がパーツを指名買いしていくのとは異なり、PCゲームが目当てで来店される方は、PC自体には詳しくない人が多い印象です。そういったお客さまは是非、店舗のスタッフに声をかけてみてください。組み立てが不要なオリジナルブランドのPCもありますし、『やりたいゲームと予算』の2つさえあれば、最適な構成を提案できると思います」と力強く語ってくれた。
パソコンSHOPアークは、ゲーム好きの店員による、いわば消費者視点も兼ね備えたゲーマー向けPCパーツショップだ。「あのゲームで遊んでみたいけれど、どんなPCがいいんだろう?」、そんなふうに思ったら、是非1度、同店を訪れてみてはいかがだろうか。
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