ソディックは2014年7月16日、ワンプロセスミーリング加工を実現するリニアモータ駆動の金属3Dプリンタ「OPM250L」の開発に成功し、同年10月から販売すると発表した。販売価格は6500万円(税別)から。同社 加賀事業所(石川県加賀市)で、年間60台以上の生産を計画している。
同製品は、粉末金属にレーザー光をスキャンすることによって溶融凝固させる粉末積層造形と、回転工具を用いた高速ミーリングによる仕上げ加工(切削加工)までを連続して行うことができる、「業界初」(同社)のワンストップソリューションである。同製品をプラスチック成型品の金型製造に適応した場合、金型内部への3次元冷却配管や幅の狭い深リブを配置することが可能となり、従来加工できなかったような複雑な金型作りが行えるという。
同製品の実現には、同社および同社グループの要素技術やノウハウが活用されており、例えば、ミーリング加工軸に同社製リニアモータを採用したり、実績のある切削機構を採用したりしている。また、グループ会社のOPMラボラトリーの配管設計支援用CADや樹脂温度分布のシミュレートを行うCAEソフトウェアなどを活用できる。
最大造形サイズは250×250×250mmで、最大積載質量は100kg。レーザーの最大出力は500W(Ybファイバーレーザー)である。周辺機器を含めない装置の外形寸法は1870×2200×2055mmで、重さは4500kg。
同年10月30日〜11月4日の期間、東京ビッグサイトで開催される「第27回 日本国際工作機械見本市(JIMTOF2014)」への出展が予定されている。
関連記事
- ローエンドの国産「3Dプリンタ」が登場! ハイエンドは最終製品への活用広がる
「第25回 設計・製造ソリューション展(DMS2014)」では、産業向けのハイエンド機から個人をターゲットとしたローエンド機まで多彩な3Dプリンタが出展された。本稿では、3Dプリンタの新製品や強化機能を紹介するとともに、会場で見られた3Dプリンタの出力品、活用例を紹介する。 - 3Dプリンタは臨界点を突破したのか
新たなモノづくりの姿を示す象徴として「3Dプリンタ」は大きなムーブメントを巻き起こしている。しかし、3Dプリンタそのものは既に1980年代からある技術で過去には夢を追いつつも突破できない壁があった。かつての研究の最前線から今のムーブメントはどう見えるのか。東大名誉教授で現在は世界最大のEMSフォックスコンの顧問も務める中川威雄氏に話を聞いた。
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.