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NEDOが「ロボット白書」発行、社会問題の解決にロボット技術の導入を提案

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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年7月17日、「NEDO ロボット白書 2014 社会を変えようとするとき、そこにロボット技術がある!」を発表した。同白書では、各種ロボットが社会生活に身近なものになっていく中、その現状と課題、今後の提言などがまとめられている。NEDOのWebサイト「NEDOロボット白書2014」よりダウンロードできる。

 これまで産業用が中心だったロボットは現在、生活支援やエンターテイメント、災害対応、農業、インフラ点検など多種多彩な領域に展開している。NEDOではロボット技術がエネルギーや公共財のような社会基盤技術となり、今後20年で10兆円規模までロボット産業が拡大すると予測する。

 そこでNEDOはロボット技術が新たな社会基盤技術として認識され、ひいてはロボットビジネスの拡大を促進するために「社会実装」「ユーザー視点による現状認識、課題、提言」のまとめが欠かせないとして、同白書の発行を決定した。

photo800ページ以上にもなる「NEDOロボット白書2014」 当面はPDFでのダウンロード提供だけだが、印刷製本や教育機関などへの無償配布も検討する (クリックで拡大)

 白書はロボットについての基本情報、利用意義、産業用ロボット、ロボット化サービス、フィールドロボット、ロボットの社会実装、課題・提言まとめの7章から構成されている。最大の特徴はロボットおよび関連する技術をまとめただけのデータ集ではなく、「ロボット技術をいかに社会問題の解決に導入していくか」という、「処方せん」ともいえる内容を多く含む点にある。

photoこれまでは産業用が中心だったが、いまでは生活支援や医療など幅広い分野でロボット技術が導入されている(クリックで拡大)
photo「処方せん」の例。介護分野では高齢化社会に対する街作りのグランドデザインとあるべき姿を目指して(バックキャスト)のロボットシステム開発が有効だと指摘する(クリックで拡大)

 少子高齢化時代の介護問題、農業分野の人手不足、国内製造業の空洞化、社会インフラの老朽化、自然災害や事故への対応など、現在の日本社会が抱える課題は多い。ただ、課題の多さはチャンスの多さとも言い換えることができ、社会問題の解決にロボット技術の導入が効果的であるとNEDOは主張する。「課題先進国である日本こそが、ロボット技術の革命を起こせる」(NEDO ロボット・機械システム部長 弓取修二氏)

photoNEDO ロボット・機械システム部長 弓取修二氏(クリックで拡大)

 白書ではこういった社会問題へのロボット技術導入事例が数多く(約40件)紹介されている他、産業別に見たロボット技術導入の可能性、NEDOが実用化を目指しているロボット関係の基礎技術(素材研究や生体機能との融合など)なども紹介されている。

 「NEDO ロボット白書 2014」公開に伴い、NEDOではWebサイトにて、ロボット技術に関するアイデアや要望、本白書自体の改善点など幅広く意見を募集する。また、秋には本白書の執筆者を含む専門家による講演などを演目としたフォーラムの開催も予定している。

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