“羽根のない扇風機”こと「ダイソンクール」。旧称の「エアマルチプライアー ファン」(現在は技術名称)と言ったほうが分かりやすいかもしれませんが、この扇風機の特徴を存分に活かした使い方がネットで話題になっています。
オフィスの中がよほど暑いのか、恰幅のいい男性がダイソンクールを“正面”に置き、その向こう側にあるPCを操っています。そう、羽根がないため、ループ越しでもPCのディスプレイが見えます。省スペースで効果的に頭を冷やせる、なかなかのアイデア。ダイソンの扇風機は編集部にもありますが、正直この発想はありませんでした。
実は最近、編集部でも節電(とコスト削減)のため、20時30分を過ぎると執務室のエアコンが切られることになってしまいました。大量のPCとおじさんたちが稼働している執務室はすぐに暑くなり、毎日22時を過ぎる頃にはすっかり亜熱帯。各所でウチワやUSB扇風機が動き始めます。そんな状況なので、さっそく実践してみました。
検証の結果、3つのポイントが判明しました。まずダイソンの扇風機は、周囲の空気を巻き込んで風量を増す仕組みのため、ループ部に顔を近づけすぎると逆に風が弱くなってしまうこと。できれば顔は15センチは離したいところです。
2つめは、PCはノートよりデスクトップ型が適していること。画面が低いと目線が下がり、ループ部分が視界をジャマしてしまいます。ディスプレイは、扇風機を挟んで正面にくるくらい高くしましょう。なお、スタンド部の高さは20センチほどあるので、使う側にも相応の座高が求められます。
3つめはキーボードの配置です。手前に置くと扇風機との距離が離れ、ループ越しの視野が狭くなってしまいます。前述のように顔から15センチほどの距離にループ部がくるようにすると、キーボードは扇風機より奥に設置することが望ましいと分かりました。その際、キーボードはスタンド部に隠れてしまいますから、タッチタイプは必須スキルです。
一方、心配していた扇風機の駆動音はあまり気になりませんでした。顔の正面から首筋に風があたるため、効率よく頭を冷やすことができます。よほど暑くない限り、風量は最弱で十分でしょう。さらに副次的な効能として、背筋が伸びて姿勢が良くなる点も挙げられます。周囲の視線さえ気にならないのであれば、十分に実用的といえるでしょう。
課題はやはり、扇風機を“独り占め”してしまうことでしょうか。別の意味で周囲の視線が気になり始めた今日この頃です。
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