米Googleのエリック・シュミット会長は7月11日、同社とAppleとの関係について、「過去1年間で改善した」と語った。ライバルであり、ときにはパートナーでもある両社は「非常に多く」の会議を行っているという。
米アイダホ州サンバレーで開催されたAllen & Companyの年次国際会議において、シュミット氏は記者らにそうコメントしたが、どのような会議かについては詳細を語らなかった。同氏によれば、この記者会見に同席したGoogle最高事業責任者(CBO)のニケシュ・アローラ氏が会議の議題の多くを主導しているという。
「GoogleとAppleは常にさまざまな案件についてビジネス協議を行っている」とシュミット氏は語った。
シュミット氏はかつてAppleの取締役を務めていたこともあるが、競争が激化する中で、両社の関係は徐々に悪化していった。Appleは同社の象徴とも言える「iPhone」でスマートフォン市場を生み出したが、現在、世界で販売されているスマートフォンの4台に3台はGoogleのモバイルOS「Android」を搭載している。
AppleはGoogleのオンラインサービスへの依存度を減らそうとしており、とりわけ2012年にそれまで採用していたGoogleの地図サービスの代わりに、自社で開発した地図ソフトをiPhoneに採用した件はよく知られている。だがAppleの地図サービスには誤りが多数あることが判明し、結局GoogleはiPhoneの最新版向けに地図アプリをアップデートしている。
一方、世界トップのインターネット検索企業であるGoogleはここ数年、携帯電話会社Motorola Mobilityを買収したり、米国の一部都市で高速インターネットサービスを提供したり、ウェアラブル端末や全自動運転カー(セルフドライビングカー)向け技術を開発したりなど、新規市場への事業拡大に力を注いでいる。
シュミット氏はGoogleのセルフドライビング技術について、「商業化までにかかる年数は数十年ではなく数年だ」とする一方で、「この先どのように事が進んでいくのか、具体的にはまだ私にも分からない」と述べている。
また同氏は「技術だけでなく、規制やパートナー企業との提携もすべて適切に整えなければならない」と語り、Googleが既にすべての自動車メーカーと話し合いをしたことも明らかにしている。
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