米Microsoftのサティア・ナデラCEOは7月10日(現地時間)、新年度を迎えた全社員に向けて長大な所信表明メールを送った。
同氏は、Microsoftはもはや(前CEOのスティーブ・バルマー氏が標榜した)「デバイス&サービス企業」ではなく、「モバイル第一、クラウド第一の世界のためのプロダクティビティ(生産性)&プラットフォーム企業だ」と語った。「われわれは、地球上のすべての個人と組織がより多くを達成できるよう、生産性を改革していく」という。
「プロダクティビティ」というのはMicrosoft Officeのみを指すのではなく、SkypeやOneDrive、Bing、Dynamicsなどや、Windows PhoneのCortanaなどのサービスも含めている。
「プラットフォーム」もWindowsを指すのではなく、「Office for iPad」をリリースしたように、「すべての個人および組織」に「デジタルな仕事と日常生活の体験」を提供することが「Microsoftのコア」だとしている。
同氏はまた、Xboxの重要性についても説明することで同事業の売却のうわさを否定した。「Xboxは最も尊敬を集めるコンシューマーブランドの1つ」であり、音声認識やKinect for Windowsのように、Xboxのために開発した技術が同社の他の製品やサービスに貢献することも多々あると説明した。
組織改編や人員削減について直接的には言及していないが、生産性&プラットフォーム企業になるには製品開発方法を刷新すべきであり、そのためには組織のフラット化とビジネスプロセスのスリム化が必要と語った。
同社は7月22日に2014年度の業績発表を行う。
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次期CEO候補の1人であるスティーブン・エロップ氏は、XboxやBingの事業を切り捨て、Microsoft Officeに注力する戦略を構想しているという。
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