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仕事に即戦力の「無線LANアクセスポイント」を選んでみた――利用規模別のおすすめは?

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←・SOHO/中小企業に効く「無線LANアクセスポイント」の選び方(前編):「無線LANアクセスポイント」の法人モデルは家庭用と何が違うのか?

無線LANのオフィス導入前にチェックしておきたい製品例

tm_1406_wifi2_00.jpg後編は利用規模別におすすめ製品例をピックアップ

 前回は法人用の無線LANアクセスポイントについて、家庭用の製品との相違点、および頻出する用語や機能について紹介した。今回は利用規模別に、具体的なおすすめ製品を紹介しよう。

 あらかじめお断りしておくが、法人で無線LANアクセスポイントを導入する場合、さまざまなメーカーの競合製品を比較しつつ、利用者が製品をピックアップすることはあまり一般的ではない。どちらかというと専門業者にネットワーク環境の調査から設営までを依頼する中で、既存のネットワークとの相性などを考慮して選定されることがほとんどだ。単体のスペックだけで選ばれるケースはまずない。新規に導入する場合でも、その専門業者がその製品に“慣れていること”が、決め手となることも多い。

 それゆえ、以下の内容については、自力で製品を導入するための参考というよりも、業者に発注するにあたっての参考資料といえる。同一グレードの中で競合製品の選択肢がどのくらいあり、他社同等品ではこのような機能を持った製品もあるといった知識を持っておけば、本当に必要な機能は何かを知り、導入後にそれらの機能を使いこなすうえで役立つと考えられるからだ。

 なお、今回はいずれの利用規模においても、5GHz帯のIEEE802.11a/nと、2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nが同時利用できることを前提とする。同時利用ではなく切り替え利用で問題ない場合は、ほかにも選択肢があり、かつそちらのほうが安くつくので、今回紹介している製品のラインアップにエントリーモデルがないかを探していただきたい。

小規模(数台以内で無線LAN接続)

 法人とはいえ個人事業主レベルであったり、数人のスタッフがワンルームで業務を行っているのであれば、家庭用の製品を導入しても差し支えない。この規模であればスタッフの何人かが複数のクライアントを使っても、同時接続台数が10台を超えるケースは少ないと考えられるからだ。

 選択肢は豊富にあるので、今回は有線LANを4ポート備え、かつギガビット(1000BASE-T)対応であることを条件にチョイスしている。いずれもルータ機能を内蔵した製品だが、不要であればオフにして無線LANアクセスポイント機能だけを使えばよい。

 まずバッファローの製品では、「WZR-1750DHP2」が候補となる。最新のIEEE802.11acに対応しており、かつ中継器としての利用も可能なのでつぶしが利く。来訪者に一時的に接続を許可するゲストポート機能も、用途によっては便利に使えるだろう。3階建の家屋、4LDKでの利用に対応し、6人でも問題なく使えるとされているので、SOHOユースに向いた製品だ。

 NECアクセステクニカの「AtermWG1800HP」は、IEEE802.11acでの接続や中継器としての運用に対応するほか、ゲストの利用を許可するゲストSSIDモードも搭載する。またこれはルータ側の機能だが、上記のWZR-1750DHP2では非対応のIPv6 PPPoE方式での接続も可能だ。同社は何人までの利用に対応するという言い方はしていないが、3階建、4LDKというおすすめの間取りから判断する限り、WZR-1750DHP2とおおむね同水準の性能と見てよいだろう。

tm_1406_wifi2_01.jpgtm_1406_wifi2_02.jpgバッファローの「WZR-1750DHP2」(写真=左)。NECアクセステクニカの「AtermWG1800HP」(写真=右)

 このほか、アイ・オー・データ機器の「WN-AC1600DGR2」、エレコムの「WRC-1750GHBK」も候補に上がってくる製品だ。こちらもIEEE802.11acやマルチSSIDに対応している。いずれも3階建および4LDKでの利用を目安としており、6人での接続もこなす。

tm_1406_wifi2_03.jpgtm_1406_wifi2_04.jpgアイ・オー・データ機器の「WN-AC1600DGR2」(写真=左)。エレコムの「WRC-1750GHBK」(写真=右)

 以上はいずれもIEEE802.11acの高速な無線LANに対応しているが、まだ規格が正式化して間がなく、製品自体もこなれていないため、動作が不安定なケースも一部でみられるようだ。法人でのIEEE802.11acの本格的な普及はまだしばらく先で、すぐに恩恵を受けられるわけではないので、現状ではIEEE802.11nまでの製品をチョイスしておくのもよいだろう。動作の安定性はもちろんのこと、コスト的にもそちらのほうが有利だ。

中規模(10〜50台程度で無線LAN接続)

 説明の便宜上「中規模」としているが、同時接続台数が10台を超えるところからは、法人用無線LANアクセスポイントの守備範囲となる。家庭用の製品と違ってルータ機能はなく、また複数台の設置を前提とした機能も増えてくる。

tm_1406_wifi2_05.jpgバッファローの「WAPS-APG600H」

 まずはバッファローの製品だが、「WAPS-APG600H」が候補となる。同時接続可能な最大台数は5GHz帯で25台、2.4GHz帯で25台の合計50台だ。セパレータ機能やロードバランス機能も搭載しているので、のぞき見を防ぎつつ、安定したアクセスを実現できる。IEEE802.3af準拠のPoEに対応しているので、壁面および天井への設置も容易だ。ちなみにACアダプタは別売なので、購入にあたっては注意したい。

 アイ・オー・データ機器の「WHG-NAPG/A」も候補になるだろう。ポートセパレータやVLANなどの機能を搭載し、また複数アクセスポイントの一括設定も可能だ。IEEE802.3afおよびその上位であるIEEE802.3at準拠のPoEにも対応している。同時接続可能な最大台数は2.4/5GHzの各帯域の合計で最大50台とされているが、10台を超える場合はアクセスポイントを増設したほうがよいとされている。4つまでのマルチSSIDが利用できる。

 IEEE802.1x認証やVLANなどの機能が不要な場合は、同一ボディの下位モデル「WHG-NAPG/AL」という選択肢もある。同時接続可能な最大台数は変わらないが、先ほどの製品が標準価格ベースで3万1700円(税別)のところ、本製品は1万9800円(税別)と安価だ。複雑な設定は行わないならば、予算的にもこちらのほうが好都合だろう。2つまでのマルチSSIDに対応する。

 逆に機能の多さで選ぶのであれば、アライドテレシスの「AT-TQ2450」がおすすめだ。同時接続の推奨台数(最大台数ではないことに注意)は30台までで、セパレータ機能、VLAN、ロードバランスといった機能に加えて、複数の仮想的なアクセスポイントを構築し、異なるSSIDやセキュリティ方式を設定できるバーチャルアクセスポイント(VAP)機能も搭載している。また、同社のユーティリティによる集中管理機能など、すでに同社製品でネットワークを構築している環境に向いた製品だ。この製品もACアダプタは別売となる。

tm_1406_wifi2_06.jpgtm_1406_wifi2_07.jpgアイ・オー・データ機器の「WHG-NAPG/A」「WHG-NAPG/AL」(写真=左)。アライドテレシスの「AT-TQ2450」(写真=右)
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