今年もそろそろ、屋外を歩いていると強い日差しを感じる季節になってきました。そんな日差しに背中を押されるようにしてコンビニエンスストアに立ち寄ると、色鮮やかなアイスのパッケージが魅力的に見えてきます。
ちなみに私が子どものころは現在のようにコンビニが多くなかったので、アイスと聞いて思い浮かべるのは夏休みに実家で食べた「明治宇治金時」や、親に取り分けてもらった「レディーボーデン」だったりします。きっと皆さんにもそんな“ソウルアイス”とも言うべき存在があったりするのではないでしょうか。
そこで今回は、無料家計簿アプリ「ReceReco」(レシレコ)の購買データ分析を通じ、上位28ブランドアイスの販売数ランキング——いわば「アイス総選挙」を実施してみました。
「ReceReco」とは?
スマートフォンでレシート写真を撮るだけで家計簿を作れる無料iPhone/Androidアプリ。リリース後1年間でダウンロード数は130万、登録レシート枚数は2200万枚、登録された支出総額は500億円を超えている(2014年1月時点)。なお、登録されたレシートデータを個人が特定されない範囲で二次利用することは全ユーザーに事前許諾済み。
関連記事:目指したのは「究極のシンプル」 レシート撮るだけ家計簿アプリ「ReceReco」の狙い
やはり絶対王者だった「ガリガリ君」、並いる強豪を抑えて圧勝
まずは登録されたレシート枚数(購入数)のランキングを見てみましょう。すると、優勝候補筆頭の呼び声も高かった(?)「ガリガリ君」(赤城乳業)が見事にトップを飾りました。
なお、この後いくつかの切り口でデータを見ていくことになるのですが、ガリガリ君は「ほぼ全て」の分野で1位を獲得しています。「日本のアイスはガリガリ君“以前”と“以後”に分けられる」という話を聞いたこともありますが、その逸話にふさわしい、まさに日本を代表するアイスと言えるでしょう。
一方、2位以下にも「PARM」「MOW」「ピノ」(森永乳業)、「雪見だいふく」「爽」「スイカバー」(ロッテ)、「スーパーカップ」(明治)、「アイスの実」「パピコ」(グリコ)と各社のいずれ劣らぬ名作アイスがひしめいており、アイス業界の層の厚さが感じられます。ちなみに、アイス界の黒船とも言うべき「ハーゲンダッツ」もきっちり5位にランクインしていました。
ところで、このあとご覧いただく分析にも共通しているのですが、これまで本コラムで見てきた業界に比べると、アイスの購買ランキングは「年齢別」などの切り口による変動が小さいことが分かります。これは、先ほど挙げた名作アイスたちのファン層の厚さを表していると言えるでしょう。
ただし細かく見ると、例えば男性30〜40代では「チョコモナカジャンボ」(森永製菓)、男女50代では「北海道バニラバー」(ロッテ)、男性50代では「あずきバー」(井村屋)がそれぞれグッと順位を上げるなど、ちらほらと局地戦もあるようです。個人的には、ときどき「釘が打てるんじゃないか(笑)」と思えるほど硬いあずきバーが50代男性に受けていることにアイス愛を感じました。
九州の雄「ブラックモンブラン」——地方で輝くいぶし銀のアイスたち
次に、地域別の戦況を見てみましょう。前述の通り、上位には大きな変動は見られませんが、ランキング中盤以下のアイスを見ると、地域によってグッと順位を上げているアイスがあることに気づきます。
特筆すべきは、九州地方で5位に入った「ブラックモンブラン」(竹下製菓)です。これだけ全国的にランキングが安定している中で、5位に食い込んだブラックモンブランは地元の支持が非常に厚いと言えるでしょう。ご当地アイスの面目躍如と言ったところでしょうか。
一方、「北海道バニラバー」は北海道でよく売れているのは分かるのですが、なぜか九州地方でもグッと順位を上げています。これは、暑い地域に住む人々の北海道へのあこがれを表しているのでしょうか。また「たまごアイス」(井村屋)も東北地方で局所的に順位を上げており、これらの裏には何かドラマがあるのかもしれません。
絶対王者に下克上! 夏の刺客「スイカバー」と冬将軍「雪見だいふく」
今度は季節別の戦況を見てみます。すると、あの絶対王者ガリガリ君の唯一の隙を突いてきた伏兵がいました。
Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.