クアッドコアにSLI、そして4発の1TバイトSSDをRAID 0で搭載!!
PCのコモディティ化が進んだとはいえ、やはり高価なマシンというのは健在である。通常のノートPCを“駆逐艦”とするなら、今回紹介する「NEXTGEAR-NOTE i1110PA1-SP3」は、まさに超弩弓の“戦艦”。64万9800円(税別)からという、安いノートPCなら軽く10台以上も買えてしまう、およそ一般人には検討候補にすら挙がらないであろう価格だ。しかしもちろん、このノートPCで実現できることは、そうしたノートPCとは一線を画す。
マウスコンピューターのゲーミングPCブランド、「G-Tune」にラインアップされるノートPCにおいて、その最上位に君臨する「NEXTGEAR-NOTE i1110」シリーズは、17.3型フルHD液晶ディスプレイを搭載したモデルだ。
特に今回取りあげた「i1110PA1-SP3」は、ブロンズ、シルバー、プラチナとある各カスタマイズ構成の中でもフルカスタマイズされたもの。最も強烈なパーツを惜しげもなく投入し、ひときわ異彩を放つモデルだ。言わば、17.3型ボディに「詰め込めるすべてを詰め込んだ」ような構成であり、それはBTOパソコンなのに本体内部パーツではほぼBTOオプションが存在しないというところからも伝わってくる。
それでは早速スペックを見ていこう。まずCPUはCore i7-4940MX(3.1GHz/最大4GHz)という「Extreme Edition」が採用されている。クアッドコアでHyper-Threadingにも対応した8スレッド対応というスペックは、デスクトップPC向けのCore i7と同じ。デュアルコアのHyper-Threadingで4スレッド動作の“通常”モバイル向けCore i7と比べると倍のスレッドを扱える。
動作クロックも定格3.1GHz、Turbo Boost時に4GHzに達し、通常のモバイル向けCore i7とほぼ変わらないか、むしろ高速。デスクトップ向けCPUと比べても、Core i5やCore i3の通常電圧版CPUとも同等かより高いクロックで動作し、そのパフォーマンスは高い。ゲームはもちろんのこと、CPUを用いたレンダリングや動画のソフトウェアエンコーディングなど、ワークステーションとしての活用も視野に入ってくる。
続いてはGPU性能。グラフィックス機能は、GeForce GTX 880MのSLI構成だ。ノートPC向けのGeForce GTXとしてはこちらも最上級の製品で、それが2基搭載されているのだから3D性能も突き抜けている。
熱設計上、通常のノートPCであれば1基が限界。ゲーミングモデルでも、1つ下のグレードであるGeForce GTX 870Mクラスであることが多い。それを2基も搭載してしまうのだから恐れ入る。17.3型クラスというボディの大きさ、協力な冷却機構の成せるワザだろう。
そのGeForce GTX 880Mは、CUDAコアが1536基、コアクロックが定格954MHz、メモリが256ビット接続のGDDR5 8Gバイトで5Gbps駆動となる。コア/メモリクロックは抑えられているものの、およそデスクトップGPUでいうGeForce GTX 770相当といったところだ。しかもメモリ容量はその4倍という仕様である。1基あたり8Gバイトもグラフィックスメモリがあれば、最新のFPSタイトルでも十分過ぎるだろう。
そしてストレージ。特にここが注目ポイントとなるところで、なんとSSDでありながら4TバイトというHDD並みの容量を実現している。その内容は、2.5インチ×2基、mSATA×2基の計4基を、Samsung 840 EVOの1Tバイトモデルで統一し、それをRAID 0(ストライピング)で組むという、なんとも恐ろしい構成である。
Samsung 840 EVO自体、シーケンシャルリード540Mバイト/秒、同ライト520Mバイト/秒という高速なSSDだが、これがRAID 0化されることで秒間ギガバイト級のパフォーマンスを絞り出す。もちろん、4TバイトもあればこれまでのSSDのように空き容量を気にしたり、別にデータドライブを用意するといったことからも開放される。
そのほかにも、4基のメモリスロットすべてに8Gバイトモジュールを差し、計32Gバイトという、デスクトップ向けメインストリームプラとフォームとも並ぶ大容量メモリを搭載している。PCゲームにおいて32Gバイトのメモリ空間を使い切ることは、ほぼ想定できないが、余裕があることにデメリットはなく、クリエイティブな作業やワークステーションの用途であれば、パフォーマンスに差が出てくる場面もあるだろう。
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