書店で紙の本を買うのと異なり、電子書籍はサービスなので、どこの電子書店を利用するかによってその後の読書体験が大きく異なります。
「電子書店完全ガイド」2014年度版は装いも新たに、主要電子書店を「ラインアップ」「探しやすさ」「買いやすさ」「保管しやすさ」「読みやすさ」の5項目について徹底解説します。各項目3点を平均とし、良い点は加点、悪い点は減点という形で評点を付けていきます。第1回目は今年で10周年を迎えるNTTソルマーレの「コミックシーモア」です。
ココが「○」 |
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・ブラウザビューワ対応で手軽に読める |
・コミックが比較的多い |
・レンタルや読み放題も選べる |
・ポイント購入によるボーナスがお得 |
・パスコードロックで安心 |
ココが「×」 |
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・コミック以外がやや少ない |
・レンタルや読み放題に対応している本が少ない |
・Android版の本棚アプリはGoogle Playに登録されておらず導入が面倒 |
ラインアップ
コミックシーモアの総配信数は13万7546点で、タイトル数は7万7454点。「レンタル」対応は2万5558点、「読み放題フル」対応は8660点、「読み放題ライト」対応は2194点、出版社数は436社、レンタル対応は38社です(いずれも2014年6月20日時点)。
サイト名に「コミック」が付く通り、従来のラインアップはコミック・コミック誌が中心で、過去に完全ガイドで紹介した電子書店の中では「ニコニコ静画(電子書籍)」と似た、ポップカルチャーの専門店でした。ところが、5月28日からラインアップが拡充され、文芸・ビジネス・実用書などの一般書籍も扱うようになりました。つまり、「eBookJapan」と同じように総合型電子書店へ向けて大きく舵を切ったことになります。
総合型電子書店として捉えると、ラインアップが多いところは既に総配信数20万点を超えており、雑誌がないことなどを考えても、若干見劣りしてしまうのは否めません(☆-0.5)。また、大手出版社でコミックやラノベに強いKADOKAWA系の作品がほとんどない(メディアファクトリーがモバイルのみ・話単位で183シリーズだけ)のは気になるところですが、拡充へ向けて調整中とのことです。
ジャンル別の配信数(シリーズ数)は、以下のとおりです。複数のジャンルに重複登録されているケースもあるので単純比較は難しいのですが、新たに拡充された一般書籍のみならず、従来の中心ラインアップであったコミックも、ニコニコ静画(電子書籍)やeBookJapanに比べると若干少ないのが現状です。
ジャンル | シリーズ数 |
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少年マンガ | 1550 |
青年マンガ | 4766 |
少女マンガ | 3705 |
女性マンガ | 3229 |
ボーイズラブ | 4997 |
ボーイズラブ小説 | 5476 |
ティーンズラブ | 3378 |
ティーンズラブ小説 | 1075 |
ガールズラブ | 156 |
レディースコミック | 833 |
グリム童話 | 165 |
ヤングレディース | 7 |
ハーレクイン | 2570 |
ハーレクイン小説 | 3671 |
ライトノベル | 2147 |
恋愛・ロマンス小説 | 5131 |
オトナコミック | 4789 |
一般小説 | 8733 |
文芸書籍 | 2814 |
ノンフィクション書籍 | 2339 |
サブカル・エンタメ書籍 | 1555 |
趣味・実用書籍 | 1670 |
評点:☆2.5
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