「突然LINEにログインできなくなった!」「友だちに身に覚えのないメッセージを送っていた!」などの経験はないだろうか。もしくは、回りにそのような経験を持つ人はいないだろうか。スマートフォンユーザーなら利用するのが当たり前になりつつあるLINEアプリだが、実はLINEのアカウントは第三者から乗っ取られる可能性がある。
どういった場合にアカウントを乗っ取られるのか、乗っ取られるとどうなるのか、その後の対処方法はどうするのか、予防策はないのかなど、気になる点を順に確認していきたい。事前に対策を打っておけば乗っ取りの可能性を限りなくゼロに近づけることができる。安心してLINEを使うためにも、改めてセキュリティ回りを見直してみよう。
アカウントを乗っ取られると、どうなる?
第三者にアカウントを乗っ取られると、送ったはずのないメッセージがLINE上の「友だち」に送られる、読んでいないメッセージに既読が付くなど、いわゆる“なりすまし”が行われる。また、自分のスマホでLINEアプリが使えなかったり、第三者のPCからメッセージを盗み見されたりということもある。URL付きのスパムメッセージなどいかにも怪しいものが送られることもあるが、スタンプなど気軽にメッセージをやり取りできるLINEは、相手のアカウントが乗っ取られているかどうか判断しにくい。不審なメッセージが来た場合は、たとえ仲のいい友だちのアカウントだとしても十分注意しよう。
アカウントが乗っ取られるのはどんなとき?
LINEのアカウントが第三者に乗っ取られるのは、どんな場合があるのだろうか。自分の手を離れたスマホを直接操作されてメールアドレスとパスワードを変更されたり、ほかのSNSなどと同様にメールアドレスとパスワードが流出したりすると、乗っ取りは容易に行われる。
スマホを直接操作され、第三者のメールアドレスを設定される
LINEはSIMの電話番号とアカウントがひも付けられているが、新たにメールアドレスとパスワードを登録すると、後者の情報さえあればログインが可能になる仕様だ。そのため、まだメールアドレスの登録を行っていないLINEアカウントの場合は、直接スマートフォンを操作されて登録を行われると事実上乗っ取りが可能になる。
メールアドレスの登録は、「その他」→「設定」→「アカウント」→「メールアドレス登録」から行える。登録方法はこちらの記事でも紹介した。
→・第7回 LINEユーザー必見! 機種変で絶対失敗しないためにすべき2つのこと
メールアドレスとパスワードが第三者に流出
PC版のLINEを使用している人や、機種変更によるアカウント引き継ぎを行った人などは、すでにメールアドレスとパスワードを登録しているはずだ。当然、それらの情報が流出してしまった場合は、ほかの端末からのログインが可能になる。LINEに限らないが、パスワードはなるべく推測されにくく複雑なものにするか、ほかのサービスと同じものを使うことを避けるようにしたい。
ここまで見てきたように、いくつかの方法でLINEのアカウントは乗っ取られることがある。ただし、ほかの端末がログインしている場合は自分がログインできなくなるため、不正利用に気付くことは難しくない。またPCでも同じアカウントでログインできるのは1台だけなので、ログインしていたはずの自分のアカウントが知らない間にログアウトしていた場合、第三者のPCがログインしたことが分かる。
では次に、乗っ取りに気付いてから行うべき対処法を見ていこう。
乗っ取られたアカウントを取り戻す方法
アカウントが乗っ取られると、自分以外の第三者がLINEに常時ログインしている状態になる。LINEは原則的に1端末1アカウントであるため、複数の端末から同一アカウントを利用することはできない。では、乗っ取られた場合はどうすればいいのだろうか。
既存のメールアドレスとパスワードでログイン
LINE広報によると、第三者がログインしている場合でも「メールアドレスとパスワードが変わっていなければ自分の端末からログインはできる」という。ただ自分と第三者が同じメールアドレスとパスワードを使っていれば、また乗っ取られることもある。その際、乗っ取りを防止するために「既存のメールアドレスやパスワードを変更するよう推奨しています」(LINE広報)ということだ。
ログインできない場合は、LINEに直接問合せ
逆に、第三者によってすでにメールアドレスとパスワードが変更されていた場合、ログインする方法がなくなってしまう。新たにアカウントを新規作成し、前のアカウントのデータが完全に消えてしまうことは何とか避けたいはず。自分ではどうにもできないときは、LINEに不具合の事例として問い合わせることで問題を解決できる。
LINE広報によると、「本人確認ができ、第三者による乗っ取りが行われたと判断できれば弊社でアカウントの情報をリセットすることができます」ということだ。リセット後に再度アカウントの設定を行うことでログイン可能になる。いずれの場合も、過去のトーク履歴は削除されてしまうため、どの友だちにどんなメッセージが送られたのかを自分で確認することはできない。
アプリのロックやマメなメアド・パスワード変更で予防
普段からできる予防策にはどういったものがあるのだろうか。
- LINEアプリにロックをかける
- パスワードを頻繁に変える
- 「他端末ログイン許可」をオフにする
- 第三者にスマホを触らせない
など、簡単に実行できるものが考えられる。
アプリにパスコードを設定する方法には、ホーム画面の「その他」→「設定」→「プライバシー管理」と選び、「パスコードロック」をオンにする。すると、4桁のパスコードの入力を求められる。これにより、アプリを起動するたびにパスコードの入力が必要になる。
ただし、パスコードを忘れてしまった場合は、LINEアプリを削除して再インストールする必要がある。その際、過去のトーク履歴は全て削除されてしまうので注意したい。
また、パスワードを変更する場合は、「その他」→「設定」→「アカウント」→「メールアドレス登録」から「パスワードの変更」をタップする。「現在のパスワード」と「新しいパスワード」を入力すると変更できる。
「他端末ログイン許可」は、「その他」→「設定」→「アカウント」と選び、「他端末ログイン許可」の項目のチェックを外すとオフにできる。PC版のLINEを利用しないなら
常にオフにしておこう。
LINEは毎日のように利用したり、身近な友だちの情報が入っていたりと無くてはならない存在。アカウントが乗っ取られると自分がなりすましや盗み見の被害に遭うだけでなく、友だちを思わぬトラブルや犯罪に巻き込んでしまう危険性もある。セキュリティには特に注意したいところだ。少しの工夫で安全性を高めることができるので、いま一度設定を見直してみるといいだろう。
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