Android機では日本で一番人気といって過言ではなさげな、Xperiaの新作がZ2である。ソニーモバイルコミュニケーションズが世界市場に投入している「Xperia Z2」をベースに、NTTドコモ向けモデルは「Xperia Z2 SO-03F」が、au向けには「Xperia ZL2 SOL25」が発売されている。Xperiaシリーズは2013年-2014冬春モデルの「Xperia Z1」で大幅にカメラ機能をリニューアルした。
Z2はその強化版なので、まずはZ1のおさらいをちょろっとしておこう。Z1は多くのスマホが1/3型前後の小さなイメージセンサーを搭載する中、1/2.7型という一回り大きなものを採用して驚かれた。これは普及型コンパクトデジカメ(ソニーでいえば、Cyber-shot WX/HXシリーズ)と同じ有効約2070万画素の裏面照射型CMOSセンサーで、開発には「Cyber-shot」のエンジニアも携わったという話。画素数やイメージセンサーサイズで(一般に、イメージセンサーサイズが一番画質に効いてくる)一歩リードした感があった。
だから潜在的なポテンシャルは非常に高かったのだが、チューニングしきれてなかったのかホワイトバランスやAFの精度にやや難があった。「スマホ最高のカメラ」とは残念ながら言いがたかったのである。さてZ2ではその辺がどう進化したのかな、と。そんな感じで始めてみよう。今回はドコモのXperia Z2 SO-03Fを使用した。
「プレミアムおまかせオート」で撮りまくれ
Z2には面白い撮影機能がたくさんあるが、基本は「カメラさんよきに計らってください」の「プレミアムおまかせオート」である。これにしておけば、カメラが自動的に人を見つけたら顔がきれいに写るよう明るさを調整して撮るし、逆光なら自動的にHDRがかかるし、夜景と判断すれば自動的に夜景モードになる。そんな基本となる撮影モードだ。
Z2でもZ1と同じく有効約2070万画素のセンサーを搭載しながら、画像サイズは800万画素相当になる。まあ実用面での問題はない。2070万画素のデータから800万画素の画像を作るので、リアル800万画素機に比べるとディテールの描写力は高い。Z1と異なるのは、画像の縦横比。Z1は16:9のみだったが、Z2は4:3も選べるようになったのだ。さすがに、最もよく使うモードが16:9固定ってのはどうかと思ってたので、これはよいこと。
具体的にはこんな感じ。
見て分かるように、16:9にすると上下の画角が狭くなるけど、画面全体を使うのでより大きく見える。どちらをメインにするかは好みでどうぞ。
では作例を。いつもの黄色い滑り台とあずまやを4:3のおまかせプレミアムオートで。
あずまやの写真を等倍表示してみると分かるけど、2070万画素のイメージセンサーから800万画素の絵を作っているだけあって、ディテールがすごくキリッとしてる。これはリアル800万画素機ではなかなか出せないクオリティだ。メインの被写体が中央にないときはタッチAFを使う。
ただ、Xperiaは以前からタッチAFの仕様が独特なのだ。撮影前にタッチAFしていても、いざシャッターボタンをタッチすると、再度ピントを合わせなおすのである。これだと毎回AFのタイムラグが避けられない。なぜそういう仕様なのかナゾ。ちなみにGALAXYもiPhoneも、タッチすればそこにピントを合わせて固定してくれるので、1度タッチAFをかけたらシャッターボタンを押したらすぐ撮ってくれる。デジカメのタッチAFもそう。普通、タッチAFってそういうもんだと思うのだけど、ちょっとナゾである。ちなみに、側面のシャッターボタンを使えば、半押しでAF固定って技も使える。
さらにいくつか作例を。
続いて少し暗いところで料理。
どちらも夜に撮ったもので、ちょっと感度が上がっているが、その割に写りは悪くない。続いてポートレート。諸般の事情で昼間の撮影ができなかったので、夜の室内で。
Xperiaのプレミアムおまかせオートは顔を検出すると、自動的に顔が明るくなるよう調整してくれる。これはいい点。多少逆光でも顔がちゃんと撮れるのだ。
ちなみにマニュアル撮影モードで顔検出を使わないで撮ったものと比べてみるとよく分かる。
人を見つけると顔が暗くならないようちゃんと撮ってくれるのは素晴らしい点。さらに暗い場所になると、自動的に夜景モードになり、連写+合成でノイズを抑えてくれる。
連写は長押しで。ただし、設定で「長押し連写」をオフにするか、画質優先連写にするか速度優先連写にするかを選んでおく必要がある。
画質優先連写だと秒2コマくらい。速度優先連写だと秒10コマくらい。両者の画質差はそれほどないしどちらも800万画素相当の大きなサイズで撮れるので、低速連写か高速連写かで決めていいかと思う。
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