Google日本法人は、7月21日投開票の参院選について、テレビやネットへの接触が有権者の投票行動などにどう影響するか調べる「ネット選挙動向調査」を慶應義塾大学などの協力で実施する。メディア接触と意識変化の関連を調べ、企業のマーケティングにも通じる示唆を得たいとしている。
関東1都6県に住む20〜59歳の男女約2400人を対象に、視聴したテレビや閲覧したWebサイトを3カ月に渡りトラッキング。メディア接触のデータと選挙に関する複数回のアンケート結果を合わせ、同一の調査対象の政治への意識を継続的に調査する。接触したテレビ番組やWebページのテキストデータから、政治や選挙に関連する内容を機械学習で抽出し、政党や政策ごとにカテゴライズする。
選挙に関するアンケートは、5月から選挙後の7月末にかけて計4回実施。支持政党、内閣支持、重視する政策などを共通質問とし、初回は昨年12月の衆院選の投票先、政治や経済に対する考え方などを、参院選後は今回の投票先、テレビ・ネット以外の情報源などを問うという。
調査結果は8月末をめどに発表する予定。「ネット選挙によって有権者の政治関心が高まり、投票率は高まったか」「メディアの影響を受けやすい人と受けにくい人の特徴は何か」「投票先を決める際の各メディアの役割」などの仮説を検証する。
インテージが展開する情報接触と消費行動の関連を調査する「インテージシングルソースパネル」(i-SSP)を活用。接触したメディア内容のテキストマイニング部分はブレインパッドが担当する。
プロジェクトの実行委員長で、アンケートや調査設計を監修する同大大学院 政策・メディア研究科の曽根泰教教授は「今までの世論調査と異なり、意識の変化に関わるメディア接触の部分を自動で記録できるため、同一人物の継続的な変化を見られる点が画期的。ネット選挙運動の解禁が、ビッグデータを政治学に活用する一歩になれば」と話している。
Google日本法人 マーケットインサイト リサーチマネージャーの巳野聡央さんは「選挙はどんな大ヒット商品よりも多くの日本国民に関わる事象。メディア接触と意識変化のつながりを分析するためには、これ以上適切で画期的な対象はない。分析結果をもとに企業のマーケティングにも通じる示唆を得たい」としている。
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