シマンテックは6月14日、iPhoneやiPadユーザーを出会い系サイトに誘導する不審なアプリがApp Storeで配布されているのを発見したとブログで報告した。既に削除されているが、厳しい審査で知られるApp Storeで「なぜ承認されたのか」と疑問を呈している。
見つかったアプリは、ユーザーがインストールして起動すると、特定のURLにアクセスし、アクセス先サイトのコンテンツをアプリ内で表示する。アクセス先は偽の出会い系サービスとなっており、登録するとすぐに実在しない人物——サクラ——からメッセージが届く。ポイントを購入しないと、やり取りを継続できない仕掛けだった。
Androidではアプリから出会い系サイトやアダルト系サイトに誘導して、ユーザーから金銭を巻き上げる手口が常態化しているが、厳しい事前審査を実施しているApp Storeでこうしたアプリが見つかるのは珍しい。同社によれば、App Storeの英語ページではこのアプリがゲームとして紹介されていたが、日本語ページではアダルト関連である、18歳以上が対象であることなどが紹介されていたという。
このアプリは既にApp Storeから削除されている。同社は、「フレームとして機能するだけなので、(Appleによる)承認プロセスの間は、ゲーム関係など別のコンテンツを表示していたかもしれない」と推測。「詐欺グループは、詐欺を拡散するためにさまざまな手法を駆使するので、ダウンロード元にかかわらず、アプリをダウンロードするときには警戒が必要」と解説している。
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