米Microsoftが現地時間4月2日から開催している開発者向けカンファレンス「Build 2014」で、WindowsおよびWindows Phoneの今後に関する大きな発表を行った。発表内容は多岐に渡るが、ここではその主なトピックをまとめておさらいしよう。
スマホ、タブレット、PC、そしてゲーム機で同じアプリが動く
本田雅一氏による解説記事に詳しいが、Buildで明らかにされたMicrosoftの最も大きなテーマは、スマートフォン、タブレット、PC、そしてゲーム機のアプリケーション動作環境を統一すること。開発者は「WinRT」という、Windows 8から導入されたアプリケーション開発の仕組みにのっとって開発することで、それぞれのプラットフォームで動かすことが可能な「Universal Windows Apps」を作成できるようになる。
Microsoftは今後、OSやOfficeアプリケーションのライセンス収益ではなく、利用シーンの異なる多様な端末内のWindowsの仕組みと、ストレージサービスの「One Drive」や、オフィスツールとサービスが提供される「Office 365」などの連携による加入型サービスで収益を得ていくことになる。
9型未満タブレットとスマホのWindowsを無料化
基調講演では、画面サイズが9型未満のタブレットとスマートフォンに搭載するWindows OSを無料化することも発表された。Office 365が1年間無料で利用できる権利も含まれる。Internet of Thing(モノのインターネット)向けのWindowsも無償になる。
従来のWindows 8.1のライセンス料は、通常1台あたり50ドルだったので、今後開発されるWindows搭載機器はこの分の価格が下がる可能性が高い。小型のWindowsタブレットなどは、Android搭載タブレットと近い価格での販売が可能になる。なお、ユーザーが単体で購入するWindowsが無料になるわけではない。
Windows 8.1のスタート画面をより使いやすく改良
ユーザーインタフェースを大きく変更し、その印象ががらっと変わったWindows 8だが、Windows 8.1の最新アップデートでは、使い方が分かりづらかった部分を改善しつつ、キーボードやマウスを使った操作で、スタート画面やWindowsストアアプリを扱いやすく機能拡張している。このアップデートは4月8日から無償配布される。
スタート画面の右上に電源ボタンと検索ボタンを追加したほか、右クリックメニューを追加(タイルやアプリのアイコンを右クリックし、タスクバーにピン止めするなどの操作が可能)。またデスクトップのタスクバーにWindowsストアアプリを登録して起動、切り替えをできるようにした。メインメモリ1Gバイト、ストレージ16Gバイトという比較的低スペックな環境でも快適に動くようになっている。今後のアップデートでは、デスクトップの「スタート」メニューが復活することなども発表されている。
Windows Phoneにパーソナルアシスタントが登場
スマートフォン向けのOS、「Windows Phone 8.1」には、新機能「Cortana」(コルタナ)が用意されている。米Appleの「Siri」や米Googleの「Google Now」などに似た機能を持つ、音声によるパーソナルアシスタントだ。名前は、Xbox向けのゲーム「Halo」に登場する女性の人工知能の名前に由来する。現在は米国英語版βの段階で、2014年下半期に正式版を米国、英国、中国でリリースし、2015年に提供範囲を拡大していく。
Windows Phone 8.1ではこの他、Androidの「クイック設定」のように画面の縦スワイプで呼び出せる「Action Center」が追加され、ロック画面の編集機能が強化された。
Windows Phone最新モデル「Lumia 930」
Microsoftによりハードウェア部門の買収手続きが進められているNokiaからは、Windows Phone 8.1搭載のフラッグシップ端末「Lumia 930」が発表された。6月に欧州、アジア、インド、中東、中南米で発売し、夏中に販売地域を拡大していく計画。価格は599ドル。2000万画素のカメラと4つのマイクでハイレベルな動画を録画できるのが特徴の1つ。また、Windows Phone 8.1の新機能である「Action Center」やロックスクリーンのカスタマイズが可能だ。
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