ユーザーのニーズに答え、ソリューションも一括で提供
既報の通り、パナソニックは6月11日「Let'snote AX3」を発表した。CPUをHaswell世代に刷新し、液晶ディスプレイの解像度を強化、新たに広視野角のIPSパネルを採用している。店頭モデルとWebオリジナルのマイレッツ倶楽部モデルを2013年6月21日に発売する。製品発表会では新製品紹介のほか、同社ITプロダクツ事業部の事業戦略などを説明した。
Let'snoteシリーズはビジネス向けのマシンとして、モバイルノートPC市場で大きな存在感を持っている。日本国内では約75%が法人向けに、残りの約25%が量販店やWeb上での個人向けの販売だ。
パナソニックはそういったビジネスユーザーの声を取り入れ、Let'snoteを進化させるとアピールしている。今回発表したLet'snote AX3も、「コンバーチブル形の特徴を生かしてプレゼンをしたいというニーズが多かった」(同社ITプロダクツ事業部 事業部長 原田秀昭氏)ために、液晶ディスプレイの解像度を上げ、広視野角のIPSパネルを採用した。
しかし、今後はハード面の改良に加え、カスタマイズやサポートといったソリューションビジネスにも注力するという。これも「製品の差別化に加え、Let'snoteのサポートも強化してほしいというユーザーの声に応えた」(原田氏)ものだ。原田氏はその例として、PC盗難時のHDDの遠隔消去サービスや、XPからのOS移行支援サービスを挙げた。
安価な海外メーカーのPCを導入する企業やユーザーも多いなか、Let'snoteシリーズは実売10万円台後半から20万円を超えるような製品が中心だ。これについて原田氏は「ビジネスの現場では、価格よりも生産性を優先するニーズが多い。Let'snoteは価格を優先して仕様を決めるのではなく、スペックや機能を決めてから価格を決めるという方向性だ。頑丈で長持ちするので、長期間使うことを考えれば満足度は高い」とアピールする。
その上で、PCのハード面も進化させていくという。「日本企業が生き残るためには技術革新を続けるしかない。新しいテクノロジーを常に最新機種に取り込むことも重要だ。メイドインジャパンの特長を生かし、PC業界を盛り上げていきたい」(原田氏)
続けて、日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏が登壇した。「昨今ではPCがタブレットに押されているなど、いろいろと書かれているが、そうは思わない。今は“タブレットを買ってみたが、できないことも多い”とユーザーが気付くフェーズなのだと思う。特に法人向けにおいては、これからは今まで(PC)の流れに沿ったタブレットが必要。2-in-1デバイスのUltrabookやWindows 8搭載タブレットのニーズは高まっていくはずだ」と自信を見せた。
樋口氏は「私はパナソニックに勤めていたこともあったし、アップルにいた時代もあった。いろいろ見てきた結果、Ultrabookはもちろん、タブレット向けのチップセットも資本力の勝るインテル製のものを使うことになるだろうと思う」とも述べた。
発表会にはインテル取締役副社長の宗像義恵氏も登場し、Let'snote AX3に採用された第4世代Coreプロセッサー・ファミリーについて説明した。「我々はムーアの法則(半導体の集積密度が18〜24ヶ月で倍増する)に従い、技術革新を進めている。半導体の処理能力は40年前の100万倍になった。新しいCPUではインテル史上最高の電力効率を達成したほか、高速起動やセキュリティの強化も行われている。今後も14ナノメートル規格のCPUを投入するなど、集積技術の革新を進めていく」(宗像氏)という。これらに加えて、樋口氏も宗像氏もパナソニックとの連携、協力を強調した。
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