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「新しいThinkPad X1 Carbon」開発チームに聞く、“あのキーボード”に込めた意図

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デザインチームが開発を主導した、前例のないThinkPadシリーズ

photo新しいThinkPad X1 Carbon

 変わらず、変わるThinkPad──このメッセージは何を示すのか。ビジネス層を主ターゲットに据えるThinkPadシリーズの中でも、キラリと光るプレミアム性を訴求するシリーズが「ThinkPad X1 Carbon」だ。

 新しいThinkPad X1 Carbonは、同名の前モデルよりボディを薄型軽量化するとともに、2560×1440ドットの超高解像度ディスプレイ(オプション)、従来のファンクションキーを廃して実装したタッチセンサー式キーボード(Adaptiveキーボード)を搭載するなど、新たな試みを多く取り入れて大きな変化を遂げた。

 この第2世代X1 Carbonはどこを目指すのか。ThinkPadシリーズの開発拠点 レノボ・ジャパン大和研究所を訪ね、開発に携わったエンジニアの方々にその開発背景を聞いた。


photo話を聞いたレノボ・ジャパン 大和研究所/新しいThinkPad X1 Carbonの開発エンジニア 左から先進システム設計/Adaptiveキーボードのハードウェア設計担当の米田雅春氏、電気回路設計/独自拡張インタフェース「OneLink」担当の小柳常雄氏、パフォーマンス/バッテリーライフなどに関わる電気回路設計を担当した中島崇氏、Adaptiveキーボードのファームウェア/ソフトウェアの開発に携わったノートブックソフトウェア担当の河野純也氏、ノートブック機構設計/外装やレイアウトなどの機構設計などを担当した大塚亮氏

ITmedia 前モデルも先進的でしたが、今回の第2世代“新しいThinkPad X1 Carbon”もいろいろと新たな取り組みを取り入れたようですね。改めて、製品のコンセプト、具体的なテーマを教えてください。

レノボ・ジャパン 先進システム開発・設計担当の小柳常雄氏(以下、小柳氏) まず、昨今はビジネスPC市場全体でコンシューマライゼーション(企業が導入する業務用機器においても、業務効率の向上を目的に先進性に優れる個人向けないしそれに近い機器を使用・導入すること)化している流れがあります。大企業においても機種の選択はエンドユーザー(つまり個々の社員)が選べるようになってきています。会社貸与PC=動いて安ければ何でもよいわけではありません。

 業務シーンへ導入事例が多いThinkPadシリーズもコンシューマライゼーションを進めているところで、デザインなども従業員(エンドユーザー)である個人を意識したトーンに変化させています。ThinkPadシリーズとしては、X、T、L、Wシリーズでビジネス王道マシンの路線を継承しつつ、X1シリーズはよりコンシューマライゼーションを進めた活動の一貫として、これまでなかった挑戦的なこと、冒険的なことを積極的に挑もうということですね。現在ThinkPadシリーズのユーザーは、大企業から中小企業を中心とした企業ユーザー様や個人でもヘビーユーザー様がメインですが、それ以外の幅広いユーザーにもアプローチすることを狙っています。

レノボ・ジャパン ノートブック製品 機構設計担当の大塚亮氏(以下、大塚氏) また、ThinkPad史上でおそらくはじめて……ではないかと思うのですが、デザインチームがリードして開発を進めたモデルであるということも、他のシリーズと大きくは異なる部分です。

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