「ソーシャルプラットフォームの遮断は容認できない。以前から言っているように、そもそもTwitterのようなサービスを完全に遮断することは技術的に不可能だ。この措置は長くは続かないと思う」──。トルコのアブドゥラー・ギュル大統領は3月21日、公式Twitterアカウントの複数のツイートでこう語った。
トルコ政府は3月20日、Twitterを遮断したが、その後トルコのユーザーはさまざまな手段を使ってツイートを続けている。
トルコではレジェップ・タイイップ・エルドアン首相周辺の汚職についての情報がTwitterで出回っており、同首相が「Twitterを撲滅する」と宣言した(Wikipediaによるとトルコの国家元首は国民投票で選出される大統領だが、行政は大統領が指名する首相の権限が強い)。その直後、Twitterが遮断された。国営アナトリア通信によると、人権やプライバシーの侵害があるとして同国裁判所がアクセスブロックを命じたという。
遮断がスタートした後、米TwitterがSMSを使ってツイートする方法をツイートした他、ユーザーの間でGoogleの無料DNSサービス「Public DNS」を使ってブロックを回避する方法が拡散した。また、米Wall Street Journalによると、無料VPN(仮想プライベートネットワーク)サービス「Hotspot Shield」のトルコでのダウンロード数が遮断開始後12時間で27万件に上ったという。
英Guardianによると、アクセスブロック後トルコからのツイートは急増し、同国でのTwitter利用記録を更新したという。
トルコ政府はTwitterを遮断できなかっただけでなく、世界中の注目を集めることになった。米連邦政府は3月21日、トルコのTwitter遮断について「深く憂慮する」という公式声明を発表した。
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