EMCジャパンは6月6日、報道機関向け説明会を開催。米EMCが5月に開催したプライベートイベント「EMC World」の内容を踏まえ、今後の戦略方針やストレージ統合管理ソフトウェア「EMC ViPR」などを紹介した。
EMCジャパン 代表取締役社長 山野 修氏は、これからのIT環境を“モバイル”“クラウド”“ビッグデータ”“ソーシャル”をキーワードとする「第3のプラットフォーム」とする定義を紹介。メインフレームやミニコンピュータが中心だった「第1のプラットフォーム」と比較してユーザー数やアプリケーションの種類が増大する中、多様なOSやアプリケーション、サービス、コンテンツを提供できるITインフラが求められると説明した。
その上で「単一ベンダーのハードウェア、各種ミドルウェア、サポートなどで構成される垂直統合型インフラの提供は目指していない」と強調。同社はオープンなアーキテクチャを採用したパートナー企業との“水平協業”で、ユーザーに幅広い選択肢を提供するという。特にクラウド、ビッグデータに加えて、セキュリティや事業継続計画(BCP)/災害復旧(DR)などに注力して企業のビジネスを支援する。
その幅広い選択肢を提供するための鍵を握るのが、EMC World開催中に発表されたストレージ統合管理ソフトウェア「EMC ViPR」だ。
EMC ViPRは同社が提唱する「Software Defined Storage」を実現する製品で、全てのストレージ管理機能をソフトウェアで実装する。管理対象のストレージを利用するサーバにエージェントをインストールし、専用サーバで統合管理する。
EMC ViPRはストレージインフラを管理する「コントールプレーン」とインフラ内のデータを管理する「データプレーン」で構成される。コントロールプレーンは単独が可能。
コントロールプレーンは「ViPR Controller」機能によって、「EMC VMAX」「EMC VNX」「EMC Isilon」などの自社ストレージとサードパーティー製品、コンシューマ向けコモディティ製品などを1つのリソースプールとして管理できる。ストレージプールはアプリケーションごとに分割して利用でき、ストレージのサービスカタログを作成するとセルフポータル機能も利用できる。また、アプリケーションごとのプロビジョニングも可能だ。
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データプレーンは「ViPR Data Services」機能によって、ブロック/ファイル単位のアクセスのみならず、Amazon S3やOpenStack Swift対応のREST API、HDFS(Hadoop Distributed File System)などさまざなストレージアクセスプロトコルやAPIに対応する(関連記事:話題先行のOpenStackを取り巻く俗説と実態)。
自社以外のストレージ製品も一元管理することに関して、山野氏は「ユーザー側の資産を最大限に活用できる」メリットを強調。一方で、「ユーザーが求めるストレージの要件は、I/Oや容量、管理面などにさまざま。EMCはそれらに応じる最適なストレージ製品をラインアップしている」と語った。EMC ViPRの国内提供は2013年下半期を予定している。