2014年2月17日に、東京・御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンターにて、サイバーセキュリティカンファレンス「CODE BLUE」が開催されました。私の観点で興味深かったこと、講演内容を中心にまとめたいと思います。
BlackHat JapanからCODE BLUEに至るまで
日本国内でも情報セキュリティに関するさまざまなカンファレンス、セミナー、学会が開催されていますが、研究寄りのカンファレンスは非常に少ないというのが私の認識です。これまでBlackHat Briefingsが2000年からアジア地域で開催されており、そのうち2004年から2008年についてはBlackHat Japanとして日本で開催されていました(他の年度は、シンガポールを中心に開催されています)。また、2003年よりPacSecが日本で継続して開催されています。
BlackHat、PacSecはどちらも海外発の「カンファレンスシリーズ」の一端であり、日本発という性質のものではありません。また、BlackHatについては、2009年以降は日本では開催されておらず、2014年は再びシンガポールでの開催が予定されています。
【関連リンク】
セキュリティ業界、1440度(1):
PacSec 2013 レポート 1日目〜任意のコードをBIOSに
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1311/29/news011.html
セキュリティ業界、1440度(2):
PacSec 2013 レポート 2日目〜Chromeの守り方、マルウェアの見つけ方
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1312/24/news001.html
こうした状況を受け、2009年以降日本国内でも日本発のコミュニティ立ち上げや、BlackHatの日本開催を目標とした、さまざまな活動が行われてきたことをご存じの方もいらっしゃるかと思います。
今回日本で初開催となったCODE BLUEは、まさにこうした活動の結実だということです。この事情についてはCODE BLUE開催発表時の記事もあわせてご覧いただければと思います。
【関連リンク】
セキュリティ専門家の情報交流の場を:
日本発世界へ、セキュリティカンファレンス「CODE BLUE」始動へ
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1311/06/news150.html
満員のカンファレンス会場と、海外からの参加者の多さに驚く
会場に着いて驚いたのは、400人は入るであろう座席がほとんど埋まっていたことです。カンファレンスやセミナー次第だと思いますが、開始時点の午前10時、イントロダクションの段階から400名の聴講者が集まっている光景は圧巻でした。初日のジェフ・モス氏(Black Hat/DEF CON創立者)の基調講演に限らず、2日目のクリス・イーグル氏("The IDA Pro Book"の著者)の基調講演でも満席の状態でした。
次に驚いた点として、海外からの参加者が多かった点です。私も過去BlackHat Japanにて登壇したことがありますが、日本開催のため参加者は日本人が大多数で、それもスーツ姿の日本人がほとんどだったという印象を持っています。
今回は、基調講演、その他の講演でも米国、トルコ、韓国、ベルギーなど、さまざまな国から講演者が来日しており、それに伴い参加者の国籍も多様だったように感じています。中でも韓国、台湾、香港などのアジア圏の参加者が多かったのが印象的でした。
2日目の全プログラムを終えた後に、ネットワーキングパーティが開催されました。スピーカーを含めたほとんどの参加者と会話できる時間、機会が提供されていたため、私自身も多くのスピーカーと交流することができ、新たな人脈を形成することができました。これが直ちに何かに繋がるわけではありませんが、単純に国内・海外という枠ではなく、ワールドワイドで話ができる相手、情報交換できる相手がいることは、企業にとっても、個人にとっても大変有意義なことだと思います。
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