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なぜ日本企業はAWSを採用するのか

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 アマゾン データサービス ジャパンは6月5日〜6日の日程で、自社のサービスや先進的なユーザー事例などを紹介するプライベートイベント「AWS Summit Tokyo 2013」を開催した。2日目のオープニングキーノートでは、同社の長崎忠雄社長が登壇。クラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」がなぜ多くの企業に支持されているかについて、具体的な事例を交えて解説した。

アマゾン データサービス ジャパンの長崎忠雄社長アマゾン データサービス ジャパンの長崎忠雄社長

 現在、AWSのユーザーはグローバルで数十万社、日本でも2万社を超える。特に日本法人が設立してから約2年3カ月の期間でここまで顧客数を伸ばしているのは驚くべきスピードであるといえよう。長崎氏によると、企業がAWSを導入するのは大きく6つの理由があるという。それは「初期コストなしでサービスを利用できること」「低い運用コスト」「柔軟な容量」「速度とアジリティ」「コアコンピタンスへの集中」「世界展開」である。

 例えば、初期投資について、従来はサーバやストレージ、ネットワークなどのシステムを導入するだけで数千万円から数億円、さらにはそれ以上の費用がかかったが、AWSはサービスを利用した分だけ支払えばいい。速度とアジリティに関しては、サーバインスタンスの調達をわずか数クリック、時間にして1分程度で可能である。また、クラウド活用によってIT部門はインフラの運用管理などの業務から解放されて、コアコンピタンスに集中できるようになるという。

 これらのサービスの特徴に加えて、エンジニアが対面式で導入などを支援する「AWSサポート」、コンサルティングプログラムの「AWSプロフェッショナルサービス」、AWSのサービスとソリューションを習熟するための「AWSトレーニング」、AWSに関する知識とスキルを認定する「AWS認定プログラム」などへのニーズの高さも多くの支持を集める所以なのだという。「我々は常に顧客の声に耳を傾けている。すべての製品やサービスは顧客に喜んでもらいたいという思いが前提にあるのだ」と長崎氏は力を込める。

 では、ユーザー企業はどのようにAWSを活用しているのか。この点についても長崎氏は6つの特徴を挙げる。1つ目は、開発・検証環境としてクラウドを利用するということ。2つ目は、クラウド上で新規アプリケーションを構築するということ。3つ目は、クラウドを使ってオンプレミスのアプリケーションをより良いものにするということ。4つ目は、クラウド上の新規アプリケーションに既存のオンプレミスアプリケーションを統合するということ。5つ目は、既存のアプリケーションをクラウドに移行するということ。最後は、すべてをクラウドで動かすということである。

三井物産 理事 IT推進部長の前川一郎氏三井物産 理事 IT推進部長の前川一郎氏

 その中の1社としてキーノートの壇上に登場したのが、三井物産 理事でIT推進部長を務める前川一郎氏だ。同社はグローバルビジネスを支える柔軟かつ俊敏なIT基盤を検討するプロジェクト「ITランドスケープ」を2010年に立ち上げた。そこでの具体的な施策として、グローバルにWANとLANを統合、集中管理、制御されたネットワークの構築、ハイブリッド型クラウドによる迅速性、拡張性、低価格性、信頼性、セキュリティ確保の実現、SAPの基幹システムを海外現地法人、主要国内関係会社にクラウドベースで提供、といった要素を盛り込んだ。そうした中、クラウド基盤として選択したのがAWSである。

 現在は、基幹システムおよび部門個別システムの開発・テスト環境や、海外店のバックアップシステムとしてのBCP環境で活用しており、今後は本番環境での利用を検討していきたいとした。

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