NTTドコモが、被災地で復興支援活動を実施しているNPO等非営利団体の支援プログラムを、2014年4月1日に開始する。ドコモは一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパンが運営するクラウドファンディングサイト「JustGiving」と連携し、ファンドレイジングを通じて活動資金を集めやすい環境を作る。ファンドレイジングとは、個人がNPOなどのために、友人や家族などから寄付を集める行為のことで、寄付を集める人のことを「ファンドレイザー」という。
ドコモは3月5日に、ドコモ東北支社で「震災の振り返り そして復興へ」という会を開催。NTTドコモとジャスト・ギビング・ジャパンの幹部が集まり、今回のNPO支援プログラムについての説明を行った。
東日本大震災からの復旧作業が終わり、震災を踏まえたインフラ増強が一段落したあと、ドコモは積極的に東北復興事業に着手。「ドコモの社是は社会的課題の解決。日本最大の社会的課題は東北復興である」(NTTドコモ 取締役常務執行役員 眞藤 務氏)という方針に基づいて、2011年12月に東北復興新生支援室を設立。当初の被災地支援から、現在は産業振興中心の復興事業を多数実施している。
「個人が一定額の寄付を行うと、適用される所得税の寄付金控除が受けやすくなり、認定NPOは資金調達がしやすくなるというメリットが生まれます。(スマートフォンやケータイから)個人が簡単に寄付をする仕組みを作ることで、ドコモのお客様に、個人寄付の制度を知ってもらい活用していただきたい」(NTTドコモ 東北復興新生支援室 担当部長の佐藤一夫氏)
今回の支援プログラムでは、NPOが「JustGiving」を利用して個人から寄付を集められるよう、ドコモ側がプロモーション支援やドコモ社員による活動のサポートを行う。情報配信などをするためのタブレット貸与、活動運営などに必要な活動準備金(50万円/団体)を寄付する。選定したNPOはJustGiving内のサイトで紹介し、各NPOへ寄付する際の決済手段には「ドコモケータイ払い」や「ドコモ口座」(2014年6月予定)が利用できる。
「(NPOなどへの)寄付において、アメリカやイギリスと日本が決定的に違うのは『内訳』なのです。米英は個人寄付が全体の7〜8割を占めていますが、日本は個人寄付が5割程度で残りは企業寄付になっています。企業は十分に寄付をしており、伸びしろはむしろ個人寄付の方にあります。
他方で、寄付に対する税制優遇で見ますと、日本でも認定NPOに寄付をすると、寄付した金額の半額が還付されるようになっています。これは他国と比較しても遜色のない税制優遇です。ですから、今回のドコモとの取り組みで、モバイル端末を用いて個人でも寄付がしやすい環境を作るということは、とても重要な取り組みとなります」(一般財団法人 ジャスト・ギビング・ジャパン代表理事の佐藤大悟氏)
ドコモでは今回のNPO支援プログラムのほかにも、被災地(岩手・宮城)の商品をギフトカード化し、売上の一部を寄付する「東北応援ギフトカード」の販売や、「dミュージック」を活用した音楽配信などを3月以降、順次投入していく。東日本大震災から丸3年が経過しようとしているが、ドコモの復興支援への取り組みと思いは、これまで以上に強いものになっているようだ。
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