新型万能細胞「STAP細胞」について、理化学研究所は3月5日、同細胞作成に関する実験ノウハウの詳細をWebサイトで公開した。
小保方晴子研究ユニットリーダーらによるPDFにして10ページにわたる英文で、科学誌「Nature」のサイト「Nature Protocol Exchange」と、理研サイトで公開した。「簡単に作成できる」とされるSTAP細胞だが、各研究機関での再現実験は成功していない。
Nature論文では「文書スペースの都合上、詳細の記載には限界がある」として、改めて「問い合わせが多かった点や間違いやすいポイントを中心に、実用的な実験ノウハウとその解説を行っている」という。今後「さらにより体系的な実験手技解説も準備し、整い次第、学術誌やオンライン媒体などで発表していく」としている。
Nature論文に対し、画像に不自然な点があるといっった指摘が相次いでいることに対し、「真摯に受け止め、所内外の有識者による調査を行っている。調査の結果が出た時点で速やかに公表する」としている。
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