簿記の知識がない個人事業主が自力で青色申告を行うには、青色申告ソフトの手助けは必須だ。以前はパッケージソフトが主流だったが、ここに来てクラウド型の青色申告ソフト(サービス)が登場し、大きく様相が変わってきた。
これまで本連載でも、パッケージで販売されているビズソフトの「ツカエル青色申告+確定申告14」と弥生の「やよいの青色申告14」を使用した青色申告のやり方を紹介した。今回はクラウド型である「マネーフォワード 確定申告」と「freee」を加え4製品について比較してみたい。
4製品の概要を比較
まずは、4製品の概要を比較してみよう。価格は、対象となる4製品が販売されているAmazon.co.jpの執筆時の価格とした。ツカエル青色申告+確定申告14の価格は、Microsoft Excelを持っていれば使用できる「乗換専用」版、マネーフォワード 確定申告は有料版の価格とした(無料版は機能の制限があるため)。製品の使用感については後ほど比較したい。
項目 | 弥生 | ビズソフト | マネーフォワード | freee |
---|---|---|---|---|
amazon価格 | 9090円 | 3645円 | 8800円 | 1万500円 |
製品形式 | パッケージ | パッケージ | クラウド | クラウド |
データ自動取り込み | × | × | ○ | ○ |
確定申告書B作成 | ○ | ○ | ○ | △ |
Mac対応 | × | × | ○ | ○ |
シリーズ販売開始 | 2002年 | 2006年 | 2014年 | 2013年 |
青色申告ソフト概要比較 |
価格は、ツカエル青色申告+確定申告14が圧倒的に安い。1つのパッケージに2人(台)分が同梱されているので、分けあう相手がいればさらに半額となる。マネーフォワード 確定申告は、月額800円なので年額9600円となるが、Amazon.co.jpでは少し安く購入できる。freeeも同様に月額980円(=年額1万1760円)より安く購入可能だ。
クラウド型の最大の特徴は銀行口座、クレジットカード、交通カード、Amazon.co.jpなどの通販サイトから、データの自動取り込みができることだ。さらにクラウド化によりMacに対応したことも大きい。
表には書かなかったが、freeeが2014年1月9日に決算書作成に対応したので4製品とも決算書の作成には対応している。青色申告書Bの作成は、freee以外の3製品が対応。freeeは執筆時点では公式には非対応だが、すでに確定申告BのPDF出力は可能となっているので、近日には公式対応すると思われる。
製品の販売開始時期は、シリーズとして10年以上の実績がある、やよいの青色申告が2002年と最も早い。シェア60%を超える青色申告ソフトのデファクトスタンダードとなっているので、安心感をいだくユーザーも多いだろう。起業から数年後に税理士との連携を考える場合、現段階では優位性が高い。
当然ながらクラウド勢はスタートしたばかりで、今年初めて確定申告を迎えることとなった。クラウド2製品を比較すると、マネーフォワードの代表はマネックス証券出身。freeeの代表はGoogle出身。何となく文化の違う感じがする。
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